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働く男性の自覚症状(健康問題)-就労男性は「ストレスを感じる」が、自覚症状、仕事へ最も影響する症状ともに高い割合に-
生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
本稿では、弊社の「被用者の働き方と健康に関する調査」の結果を用いて、働く男性に焦点を当て、自覚症状(健康問題)について調査した結果を整理した。
本調査では、就労中の男性(N=3,458人)の自覚症状(健康問題)として、「特にない」と回答した割合が22.5%(ケース割合:45.4%)と最も高いものの、有症状の順番としては、「ストレスを感じる」が9.0%(ケース割合:18.0%)と最も多く、次いで「花粉症/アレルギー鼻炎」が8.7%(ケース割合:17.6%)であった。
また、なんらかの自覚症状(健康問題)を有する男性(N=1,888人)に対し、仕事へ最も影響を与えた自覚症状を尋ねると、「仕事に影響はしていない」と回答した割合が15.7%と最も高いものの、有症状の順番としては、「ストレスを感じる」という精神的な症状が7.1%と最も高く、次いで「花粉症/アレルギー性鼻炎」が5.6%と続く結果が明らかとなった。
男性は、女性と比較してストレスを感じる割合が少ないものの、ストレスに対する対処行動において逃避・回避型のパターンを示すことが認められており、その行動特性が自己評価の低さや社会的適応の悪さと関連するため、特に留意をする必要がある。また、精神的なストレス反応は、循環器疾患発症リスクを有していることから、「ストレスの自覚(把握)」、「適切な対処行動」、「サポート体制の整備」の3つには留意していただきたい。
前稿及び本稿では、働く女性と男性にそれぞれ焦点を当てて、自覚症状(健康問題)についての調査結果を示した。女性では実に4人に1人が、男性では2割近くがストレス症状を自覚し、男女とも仕事へ最も影響する自覚症状であることが明らかとなった。女性の社会進出、男性の育児との両立等多様な役割が求められる中で、男女とも自身のストレス症状に注意を向け、企業は有益な健康経営の視点としても就労者の健康の保持増進に関する取り組むことが期待されている。引き続き、弊社の「被用者の働き方と健康に関する調査」の結果を発信する予定である。
■目次
1――はじめに
2――働く男性の自覚症状
1|分析対象者の基本属性
2|働く男性の自覚症状(多重回答)
3|仕事へ最も影響を与えた自覚症状(健康問題)
3――就労男性の自覚症状と留意点
1|男性のストレス症状は、女性よりも危険?
2|自覚するストレスは、循環器疾患や過労死リスク大
4――まとめ
03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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