2023年03月28日

育児は何がしんどいのか?(2)-育児の負担感と肯定感には、「夜間起床回数」と「育児協力者の有無」が有意に影響-

生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛

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■要旨

本稿では、対児感情尺度からみえる育児負担感についての要因分析を実施した。

その結果、「夜間起床回数」は、「子育てへの束縛による負担感」、「子どもの態度や行為への負担感」「育て方への不安感」、「育ちへの不安感」、「育児への肯定感」の項目5つ全てに有意な影響を与えていた。

また、「育児協力者の有無」についても、「子育てへの束縛による負担感」、「育ちへの不安感」、「育児への肯定感」の項目3つに有意な影響を与えていたことが明らかとなった。

このことから、夜間の起床回数と育児協力者の有無は、育児の負担感と肯定感の増減に有意に影響する共通要素であり、育児期間中には、育児負担感に影響を与える夜間の起床回数と育児協力者の有無には特段に留意する必要があると示唆を得た。

引き続き、本解析で用いたデータを用いて、妊娠・出産・育児の実態を解析していく予定である。

■目次

1――はじめに
2――分析方法
3――対児感情尺度「育児への束縛による負担感」についての要因分析
4――対児感情尺度「子どもの態度や行為への負担感」についての要因分析
5――対児感情尺度「育て方への不安感」についての要因分析
6――対児感情尺度「育ちへの不安感」についての要因分析
7――対児感情尺度「育児への肯定感」についての要因分析
8――考察
9――まとめ
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生活研究部   研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任

乾 愛 (いぬい めぐみ)

研究・専門分野
母子保健・高齢社会・健康・医療・ヘルスケア

経歴
  • 【職歴】
     2012年 東大阪市 入庁(保健師)
     2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
         (看護学修士)
     2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
     2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)

    【資格】
    看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者

    【加入団体等】
    日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会

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