育児は何がしんどいのか?(1)-完全母乳5割強、同室就寝・育児協力9割強も、睡眠は最短2時間、育児負担感は「育児への束縛による負担感」と「育て方への不安感」がカギ- | ニッセイ基礎研究所
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育児は何がしんどいのか?(1)-完全母乳5割強、同室就寝・育児協力9割強も、睡眠は最短2時間、育児負担感は「育児への束縛による負担感」と「育て方への不安感」がカギ-
生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
本稿では、自治体の乳幼児健診で取得した育児中の保護者への質問紙調査のデータを、統計学的分析した。
その結果、育児の状況として、完全母乳が5割強、子どもとの同室就寝が9割強を占めており、また、育児協力者がいる者は9割強であるにも関わらず、育児中の睡眠時間が最短2時間であるなど育児中の母親の健康状態に影響を及ぼしかねない実態が明らかとなった。
また、対児感情尺度の結果をみると、全体的に「育児への肯定感」が最も高いものの、「育児への束縛による負担感」と、「育て方への不安感」のピークとボリュームゾーンが、「子どもの態度や行為への負担感」よりも高いことが明らかとなった。
育児のしんどさとは、子どもの特性に起因するものよりも、保育者側の育児による束縛感や不安感が強く影響していることが示唆された。
次稿では、本稿で得られた育児の状況や母親の健康状態が、育児負担感にどの程度影響するのかを統計学的に分析する予定である。
■目次
1――はじめに
2――調査概要
3――回答者の基本属性
4――育児の状況
5――育児中の母親の健康状態
6――対児感情尺度からみる育児負担感
7――まとめ
(2023年03月24日「基礎研レポート」)
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
乾 愛のレポート
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