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身近に潜む子どもの事故(1)-2021年日本では「不慮の事故」による死亡者数が3万8千人、男性は要注意!0歳~19歳の死因4位以内に「不慮の事故」-
生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
本稿では、厚生労働省の令和3年度の人口動態統計データを用いて、日本の子どもにおける不慮の事故の特徴を概観した。
その結果、不慮の事故による(人口10万対)死亡者数は、1950年の32,850人から71年経過した2021年には38,355人と5,505人の微増、男女別の年齢調整死亡率(人口10万当たり)では、1950年に女性が29.6人、男性が76.6人、直近の2021年には、女性17.8人、男性40.2人と、71年経過して女性は11.8人ptの減少、男性は36.4人ptの減少であった。
全体的に女性よりも男性の不慮の事故による年齢調整死亡率が高く、生物学的な脳機能の構造上の違いから男性は特に不慮の事故に注意が必要であることが示唆された。
また、0歳から19歳までの子どもの年齢層を含む年次別の死亡数データを1950年と2021年で比較分析すると、0歳-4歳では、9,604人から111人へ、5歳-9歳は3,321人から45人へ、10-14歳では1,176人から52人へ、15-19歳では1,904人から162人へ、全ての年齢階級において大幅な減少が認められた。
しかし、年齢区分別の不慮の事故による死因順位をみると、0歳では第4位、1歳-4歳では第3位、5歳-9歳では第2位、10歳-14歳では第3位、15歳-19歳では第2位と、全ての年齢区分において、不慮の事故は上位を占める死因となっていることが明らかとなった。
これらの結果より、子どもの発達段階や社会活動の拡大に伴う不慮の事故のリスクに留意する必要があることが示唆された。
第2稿では、CDCが公表する傷病統計レポートから、米国の不慮の事故(傷病)による特徴を分析する予定である。
■目次
1――はじめに
2――厚生労働省人口動態統計から捉える、日本の「不慮の事故」の特徴
2-1|不慮の事故による全体的な死亡者数はほぼ横ばいで推移、男性は要注意
2-2|不慮の事故による子どもの死亡者総数は減少傾向
2-3|子どもの死因別順位のトップ4以内に「不慮の事故」
3――まとめ
03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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