2023年03月27日

生活者のメディア接触の状況-メディア接触に乏しい生活者との接点構築が新たな課題になる可能性-

生活研究部 主任研究員 井上 智紀

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■要旨

弊社の「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査(以下、新型コロナ調査)」では生活行動の一貫としてメディアとの接触状況の変化についても定点観測を続けており、外出を控え家の中にこもりがちな生活を送る中、ネット系メディアを中心に利用が増えた状況が続いていることを示してきた。こうした状況を踏まえ、本稿では、人々がテレビに代表されるマスメディアやネット系メディアにどれくらいの時間、接触しているかについて分析した結果を示した。

分析の結果、以前から喧伝されていたほど、若者がこぞってテレビから離れていたわけではないものの、視聴時間の点でみれば40~50代と並んで短く、むしろ高齢層の突出ぶりが際立っていることが明らかにされた。また、コロナ禍に注目されてきた動画配信サービスも利用は拡大しているものの、テレビほど長時間利用されているものではなく、旧来のメディアに比肩するレベルに達するには、まだ相応の時間も必要であるように見受けられる。ながら視聴やタイムシフト視聴など、接触のあり方による変化はありつつも、広告宣伝を通じた生活者との接点としてのテレビの役割は、未だ世代を問わず大きい。また、SNSを含むネット系メディアへの生活者の接触状況が、主として生活者自身の趣味嗜好などに左右されることを踏まえれば、こうしたメディアを通じた接点の確保は、生活者理解の程度により巧拙が分かれよう。一方で、こうしたネット系メディアにもテレビにもほとんど接触することがない接触困難層が無視できないボリュームで存在していることも示されたことは、こうした生活者に対して、どのように接点を構築していくかが大きな課題となりつつあることを意味しているとも考えられよう。

■目次

1――はじめに
2――メディアへの接触時間
3――テレビと動画配信サービス、SNSの接触状況
  1|テレビと動画配信サービス、SNSの接触状況
  2|テレビと動画配信サービス、SNS利用の重複状況
4――メディア接触の乏しい生活者との接点構築が課題となる可能性
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生活研究部   主任研究員

井上 智紀 (いのうえ ともき)

研究・専門分野
消費者行動、金融マーケティング、ダイレクトマーケティング、少子高齢社会、社会保障

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