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2022年10月に話題になった改革案や園児の募金が年金ツイートの契機に-「年金」を含むツイートの投稿契機 (2022年12月)

保険研究部 主席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査部長 兼任 中嶋 邦夫
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1 ―― 本稿の問題意識と分析対象:年金ツイートは、何を契機に投稿されたか?
本稿では、「年金」を含むツイート(以下、年金ツイート)が何を契機に投稿されているかを考察するために、基礎的な投稿状況やツイートに含まれるリンクを分析した。分析対象は、2022年12月に投稿された年金ツイートのうち単純なリツイート等を除いたものであり(図表1)、投稿者自身の何らかの態度が示されているツイートと言えよう。
2 ―― 投稿契機:ニュースサイトを参照するツイートは変動大。他のツイートも連動する傾向
図表2の「a: 返信tweet」は、既存のツイートを契機として投稿されたツイートのうち、既存ツイートの投稿者に対するメッセージである1。図表3を見ると、投稿数と投稿者数はいずれの日も「e: 単独発信」に次いで多くなっている。この区分の投稿数や投稿者数は、12月15日とその前後、および9日と20日で多かった。 いいね数は19日と23日で多く、リツイート数は9日と19~20日と22~23日で多かった。
図表4の上段は、年金ツイートから寄せられた返信数(返信対象への返信ツイートして投稿された数)が投稿日別に見て多かった、返信対象のツイートである。最多の返信を集めたのは、幼稚園児がお小遣いを歳末たすけあい募金として政令市の区長へ手渡すテレビニュースを紹介するツイートだった。このニュースでは年金が話題になっていなかったが、寄付されたお金が高齢者への訪問などに使われることがニュースの内容に含まれていたため、「年金」を含む返信ツイートが集まったと見られる。これ以外には、障害年金などに関する質問を含むツイートなどが、多くの返信を集めていた。
図表4の下段は、リツイートが多かった返信ツイートの返信対象である。最も多くのリツイートが集まったのは、返信数が最多だったツイートに対する返信ツイートだった。リツイート数が多い他の返信ツイートの対象は、返信数が少なかった。
1 既存ツイートの投稿者には返信があったことが通知され、既存ツイートの投稿者と返信ツイートの投稿者の両方をフォローしているユーザーのホーム画面(タイムライン)に表示される。
図表2の「b: 引用retweet」は、既存のツイートを契機として投稿されたツイートのうち、既存のツイートに自身のコメントを付けて発信されるものである2。図表3を見ると、投稿数と投稿者数は大きな変動がなかったが、12月13日で多く、14~20日と27日前後も多めだった。 いいね数とリツイート数は30~31日にともに多く、 いいね数は18日と23日にも多かった。
図表5の上段は、年金ツイートから引用された数(引用対象への引用リツイートとして投稿された数)が投稿日別に見て多かった、引用対象のツイートである。前月は返信数の上位5つのうち4つと共通していたが、今月の上位5つはすべて異なっていた。また、上位5つのうち4つはツイートに「年金」を含まないものだった。引用数が最も多かったのは障害年金に関する動画に対して意見を述べていたツイートで、ツイートには「年金」を含まないが年金に関する内容であった。
図表5の下段は、リツイートが多かった引用リツイートの引用対象である。返信ツイートと同様に、多くの いいねやリツイートが集まっている引用対象は引用数が少なかった。また、上位5つのうち4つはツイートに「年金」を含まないもので、含んでいる1つも年金を主な話題にしていなかった。
2 既存ツイートの投稿者にはリツイートがあったことが通知され、引用リツイートの投稿者をフォローしているユーザーのホーム画面に表示される。
(2023年02月15日「基礎研レポート」)

03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
中嶋 邦夫のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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