コラム
2023年02月09日

数字の「6」に関わる各種の話題-時間の単位の関係は「6」の倍数となっており、自然現象等でも多く観測される-

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昆虫の足は6本

大半の昆虫類は、左右両側併せて6本の足を持っている。これについては、調査に基づいた私なりの解釈では、以下のような理由が考えられるようだ。

地面を歩行することを考えた場合に、人間のように体を支えるための十分な骨格がない場合には、片方の足を上げた場合に体を十分に支えることができないで倒れてしまう。3点で平面が1つ決まることとの関係では、歩行時でも最低3本の足が地面に付いている必要がある、と考えられるため、多くの哺乳動物がそうであるように、基本的には最低4本の足が必要となる。一方で、十分な骨格がない場合で体を支えつつ歩行するためは、歩行時の左右のバランスも考えると、左右対称で合計6本の足が必要になってくる、と考えられる。4本足の場合、1本の足でも失うと、歩行はかなり困難になるが、6本足の場合、仮に1本の足を失った場合でも、ほぼ歩行することができる。

なお、それならば、もっと多く、例えばクモのように8本の足があればよいのでは、と考えるかもしれない。ただし、その場合には無駄に多くの足があっても、結局十分に使用されなければ、進化の過程で退化してしまうことになる。なお、クモとその他の昆虫の違いとして、昆虫は通常4枚の羽根を有していることが挙げられる。

ギターの弦は基本的に6本

ギターの最も一般的な弦の数は6本となっている。以前は4本の弦が主だった時代や5本の弦のギターもあったが、18世紀後半から19世紀に6本の弦が定着したようである。

弦の本数を増やせば、音域が拡がり、豊かな響きを有することにもなるが、一方でそれぞれの音域に対応した太さや長さの弦を張るために、ギターのサイズも大きくなり、指板も広くネックも太くなってくる。従って、実用的に必要とされている音域と実際に弾く場合の弾きやすさとのバランスの中で、丁度良い弦の本数として、6本に落ち着いてきたと推定されているようである。

現在では、7本以上の弦を有するギターもあるが、著名なギタリスト等が使用していたりする。

数学における数字としての「6」

「6」が、数学の場面で現れてくる例としては、以下のものが挙げられる。

・「6」は最小の「完全数(perfect number)」(自分自身を除く正の約数の和が自分自身に等しくなる自然数)となっている。即ち、6=1+2+3 となる。

・奇数と偶数を掛けた最小の数 6=2×3

・連続する3つの整数の積で表される最小の数 6=1×2×3

・正六面体(立方体)

・十進法では、6の冪数は、62 = 36 、63 = 216 、64 = 1296 …と、一の位が全て6になる。一の位が同じ数になるのは他に1と5のみである。

・3次元世界においては、「前後左右上下」の6方向を考察する必要がある。
2次元(即ち、円)の場合の接吻数 ・「接吻数問題(kissing number problem)」というのは、「n 次元の単位球の周りに単位球を重ならず触れ合うように並べるとき、最大何個並べることができるか」という問題で、その個数のことを「接吻数」と呼んでいる。

2次元(即ち、円)の場合の接吻数は「6」となっており、具体的には、右図のようになっている。

その他に「6」が使用されている例

数字の「6」や「六」9が現れてくる例としては、以下のようなものがある。

六法 : 憲法・刑法・民法・商法・刑事訴訟法・民事訴訟法。6種類の代表的な法律。

六根 : 人間に具わっている6つの感覚器官を表す仏教用語。
具体的には、眼、耳、鼻、舌、身、意

六歌仙 : 「古今和歌集」の序文に記された代表的な歌人のことで、具体的には以下の6人
在原業平・僧正遍昭・喜撰法師・大伴黒主・文屋康秀・小野小町。

東京六大学 : 早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学、東京大学。

6人制のスポーツ:バレーボール、アイスホッケー、タッチラグビー等
 
9 なお、漢数字の「六」の起源については、いくつかの説があり、定説はないようである。

最後に

今回は数字の「6」について、それが現れてくる例やその理由等について、報告してきた。

「6」という数字は、時間の単位が6の倍数になっていること等から、割と接する機会が多く、馴染み深い数字なのではないかと思われる、と述べた。一方で、この数字の「6」は、自然界の現象の中でもしばしば現れてきており、そのことは「6」と言う数字が特別な位置付けを有していることを示しているのかもしれない、と思わせる。

そんなことも感じながら、これからは「6」と言う数字に接してもらえれば、と思っている。
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中村 亮一

研究・専門分野

(2023年02月09日「研究員の眼」)

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