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消費者の節電意識と行動~高齢層ほど熱心、若年層の方が消極的
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/57058_ext_01_0.jpeg?v=1509933611)
生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子
この冬、電力需給の見通しが厳しいことから、政府は家庭や企業に対して節電要請を行っている。ニッセイ基礎研究所のインターネット調査から消費者の節電意識と行動について調査したところ、全体の9割以上が何らかの節電の取組を行うと回答した。記録的な物価高を背景とした節約意識が最大の動機となっている。実際の取組内容を見てみると、「電気の消し忘れに注意」「重ね着をして暖房器具の設定温度を下げる」など、心がけ次第ですぐにできる取組の方が、回答率が高く、「省エネ家電を購入、使用」など、特定の製品の準備や、生活様式の変更を必要とする取組などの方が、低かった。
属性別の違いを見ると、男性よりも女性、若年層よりも高齢層の方が節電に熱心であることが分かった。また、高収入世帯の方が「省エネ家電を購入、使用」や「空調の効いた施設などでの滞在時間を長くする」などの回答率が高く、動機についても、大規模停電の回避や環境問題など、社会的テーマへの関心が高かった。
今年1月から、政府の物価高対策として事業者への補助が開始され、東京電力など大手10社は電気料金の値下げを発表しているが、消費者物価指数の「高熱・水道」は1年以上前から前年同月比で二けた台のプラスが続いてきたため、これにより、各家庭での負担感がどの程度減るかはまだ分からない。また、中国電力など5社は、今後も値上げを申請中である。消費者の節約、節電意識は今後しばらく、高いまま維持されるだろう。
一方、本調査で明らかになった課題は、若年層の節電への意識の低さである。これまで、z世代などの若年層は、環境意識が高いようにみられることもあったが、節電に関しては、むしろ若年層の方が消極的であることが分かった。若年層の間には、自身のエネルギー消費や節電に対する理解不足が見られることから、今後は若年層に対して分かりやすい啓発が必要だと言えるだろう。
■目次
1――はじめに
2――節電への取組内容と動機
3――属性別にみた節電意識と節電行動の特徴
1|性別の特徴~女性の方が節電に熱心
2|年代別の特徴~高齢層の方が節電に熱心
3|世帯年収別の特徴~高収入世帯ほど積極的で社会的テーマへの関心が高い
4|ライフステージ別の特徴
~ステージが上がるほど節電に積極的で社会的テーマへの関心が高い
4――おわりに
(2023年01月19日「基礎研レポート」)
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03-3512-1821
- 【職歴】
2002年 読売新聞大阪本社入社
2017年 ニッセイ基礎研究所入社
【委員活動】
2023年度~ 「次世代自動車産業研究会」幹事
2023年度 日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員
坊 美生子のレポート
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