- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 資産運用・資産形成 >
- 株式 >
- 続・米国株式、円建てだと今後どうなる?~2023年前半は2022年よりも厳しい可能性~
コラム
2022年12月19日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
米国株式は円建てだと小幅下落
このように2022年は日本から為替ヘッジせずに米国株式に投資している場合は3月以降の円安によって助けられている状況である中、米国株式のインデックス型投信がよく売れた。米国株式のインデックス型投信の資金流出入(棒グラフ)をみると、増加基調は2022年に入って一服してしまったが、それでも毎月1,000億円以上の資金流入が続いている【図表2】。2022年は特に米国株式が下落した月ほど資金流入が膨らむ傾向があり、11月までの累計で1.6兆円の資金流入があった。それに伴って、米国株式のインデックス型投信の純資産総額は2022年初に2.6兆円だったのが、足元では4.2兆円まで膨らんできている。純資産総額のほとんどが為替ヘッジしていないものである。
円建てだと2023年前半は2022年以上に厳しい可能性
それに加えて円建ての場合はこれまで追い風だった円安が止まる可能性が高い。米国においてインフレが収まり、金融引締めの打ち止めが実際に見えてくると、これまでのドル高の揺り戻しが起き、横ばいかやや円高になることが考えられる。また、米国でのインフレが長期化したとしても米国景気の弱さを考えると、やや円安か横ばいが予想され、少なくとも再び1ドル150円を目指すような展開にはならず、2022年ほど円安は進行しないと思われる。つまり、仮に米国株式が2023年前半に2022年と同じようにドル建てで下落した場合、円建てだと2023年前半は円安の恩恵はあまり期待できず、2022年以上に下落幅が大きくなることが予想される。
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2022年12月19日「研究員の眼」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1785
経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
前山 裕亮のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/08 | 3月時点では米関税政策を静観~2025年3月の投信動向~ | 前山 裕亮 | 研究員の眼 |
2025/03/28 | 新NISAの現状 | 前山 裕亮 | 研究員の眼 |
2025/03/21 | 米国株式、3つの誤算 | 前山 裕亮 | 研究員の眼 |
2025/03/11 | 1月の投信爆買いの反動か?~2025年2月の投信動向~ | 前山 裕亮 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く -
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【続・米国株式、円建てだと今後どうなる?~2023年前半は2022年よりも厳しい可能性~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
続・米国株式、円建てだと今後どうなる?~2023年前半は2022年よりも厳しい可能性~のレポート Topへ