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2021年の住宅ローン市場の動向と今後の注目点について-世界的なインフレに伴う金融引き締めと景気減速が懸念材料

金融研究部 金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任 福本 勇樹
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- 個人の住宅ローン残高が増加傾向にある。その理由として、低金利環境の長期化、住宅ローン減税による順ざや、マンション価格の上昇が挙げられる。
- このような環境の中で、変動金利型住宅ローンのシェアが拡大しており、一部の国内銀行の業態で獲得競争が激化している。
- 個人は、変動金利型住宅ローンを借り入れるだけでなく、借入期間も長期化することで毎月の返済額を抑制しているとみられる。
- 住宅ローンの適用金利が十分に低い水準にあることで、金利上乗せがあっても保障内容の充実した団体信用生命保険を取り組む個人が増えている。金融機関サイドも住宅ローン商品の差別化が見込まれることから、団信のラインナップ数を増やしている。
- 2022年に入ってから個人向け住宅ローンの資金需要判断D.I.はマイナス圏に突入しており、2022年は住宅ローンに対する需要が低減することが予想されている。
- 世界的なインフレに伴う建築資材価格高騰や賃金上昇などに起因した不動産価格の上昇や、インフレ抑制のための海外の中央銀行による金融引き締め(利上げ)とそれに伴う景気減速に対する懸念が日本の住宅市場にも波及するかどうかがポイントとして挙げられる。
- 2022年の税制改正で住宅ローン減税の節税メリットが縮小されたこともあって、今後の住宅ローン市場の動向は特に変動金利型住宅ローンの適用金利との関連性が強い短期金利の動向に依存することになるだろう。
■目次
1――増加傾向にある個人の住宅ローン借入残高
1|低金利環境の長期化
2|住宅ローン減税による順ざや
3|マンション価格の上昇
2――住宅ローン市場の動向
1|変動金利型住宅ローンのシェアが拡大
2|住宅ローンの借入期間の長期化
3|住宅ローンのシェアを伸ばす信託銀行、地方銀行と新規参入銀行
4|特約付きの団体信用生命保険を選好する個人の増加
3――まとめ
(2022年08月26日「基礎研レポート」)
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03-3512-1848
- 【職歴】
2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
2021年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)
【著書】
成城大学経済研究所 研究報告No.88
『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
出版社:成城大学経済研究所
発行年月:2020年02月
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