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連続指値オペの導入効果-日銀の金融緩和政策による長期金利の下押し効果の測定
金融研究部 金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任 福本 勇樹
- 日本銀行が全ての金融政策を解除した場合に想定される長期金利の上昇幅について、統計的なモデルを構築して推定を行った。
- 2022年7月末時点で、日本銀行がすべての金融緩和政策を解除した場合、需給によって一時的な上下はありうるが、1.1%程度の金利上昇が生じるとの推定結果が得られた。
- 逆イールドを避けつつ長短金利差を拡大させていくという意味で金融緩和の解除には難しいかじ取りが求められるが、連続指値オペを導入したことで追加的に0.25%程度の下押し効果が生じており、YCCを解除した場合0.63%くらいの長短金利差が確保できる見込みである。
- バランスシートの縮小やマイナス金利解除にかかる時間軸を明確化するなどの対応策を併用することで、さらなる長短金利差を確保できる可能性がある。
- 日本銀行がYCCを解除するなど金融緩和から引き締めに転じるのは、海外と比較して数年遅れになるであろうが、その際に経済成長率や物価上昇率の観点で十分に金融引き締めを行っても、景気後退等の問題がない良好なファンダメンタルズの状況にあるのかどうか、といった点について留意する必要がある。
■目次
1――各金融政策による日本国債金利(10年物)に対する押し下げ効果の測定
(2022年7月末時点)
2――YCC解除に向けた難しいかじ取り
3――ご参考:本稿の計測モデルについて
03-3512-1848
- 【職歴】
2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
2021年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)
【著書】
成城大学経済研究所 研究報告No.88
『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
出版社:成城大学経済研究所
発行年月:2020年02月
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