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老後のための資産形成で、いつどのようにリスクを落としたら良いのか?-DC、つみたてNISAの終わり方、ターゲットデート型とは何か

金融研究部 研究員 熊 紫云
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- 老後のための資産形成では、どの運用商品にどのぐらい投資するかを決めるのは重要であるが、将来的には、いつどのように運用商品を売却するかも極めて重要である。退職直前にリーマン・ショックのような誰も予測できない株価暴落が生じると、老後のために長年積み上げてきた資産が大きく毀損し、老後資金計画に支障をきたすかもしれない。
- 本レポートでは、ターゲットデート型に着目し、単一指数型、バランス型と比較を行い、過去を遡って投資期間の違いによる投資結果に与える影響について明らかにする。具体的には、投資期間を25年間とし、毎月前月末に2万円ずつ上述の商品を購入し、投資終了時である25年後の月末に全額を売却し、その時価残高をもって、投資結果を評価した。投資期間の違いによって投資終了時の時価残高がどれくらい異なるのかを確認した。
シミュレーションの結果から、ターゲットデート型は他の代表的な運用商品に比べ、投資終了時直前の株価急落による資産が毀損してしまう可能性を低減できるメリットが分かった。また、ターゲットデート型にもいろいろな運用スタイルがあり、リスク水準が異なるので、ターゲットデート型を選択する際には資産配分の推移などポートフォリオの中身をしっかり確認して選ぶ必要があることも分かった。
- 老後資金の場合、資金の使用時期(目標年月)が近づくにつれ、計画的に少しずつ外国株式型など中長期的リターンが高いと言われる資産に投資する運用商品から元本確保型など投資終了時直前の株価急落による資産毀損リスクが低い商品に入れ替えていくことが重要である。
自分の判断で資産比率を切り替えていく自信がなく、むしろ自身で判断するのは面倒だと思う方にとっては、自動的にリスクを落としていってくれるターゲットデート型商品は有力な選択肢の一つとなる。
一方、若いうちは短期的な価格変動を恐れすぎず、十分なリスクを取り、長期・積立投資を利用して、効率的に資産形成をすることが何より重要である。
老後のための資産が十分に形成できるよう、年齢や健康状況、財産状況も勘案して自身のニーズに合致した運用商品を選択してみてはどうだろうか。
■目次
1――はじめに
2――過去のデータから、たった数か月の違いで時価残高が大きく異なることが分かる
3――年齢が高くなるにつれ、どうしてリスクを落とさないといけないのか?
4――リスクの落とし方は商品によって運用スタイルが異なる
5――ターゲットデート型に投資した場合の時価残高はいくらになるのか?
6――まとめ
(2022年07月13日「基礎研レポート」)

03-3512-1856
- 【職歴】
2020年 日本生命保険相互会社入社
2021年4月 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
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