- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 新興国経済 >
- ロシアの物価状況(22年6月)-総合指数は前月比マイナスに
2022年07月11日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:総合指数は前月比マイナス、前年比でも大幅減速
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 生鮮食品など季節的要因による影響を受ける品目や管理品目を除いた指数。
2.結果の詳細:コア指数の伸び率は引き続き高水準
6月のロシアのインフレ率は前年比で15.90%となり、5月の17.10%から低下した。15年のピーク(15年3月の16.92%)も下回った。
大分類別に見ると、食料品が前年比で3月17.99%→4月20.48%→5月20.05%→6月17.98%、財(非食料品)が3月20.34%→4月20.19%→5月19.20%→6月17.92%、サービスが3月9.94%→4月10.87%→5月10.03%→6月10.17%となり、食料品および財(非食料品)が大幅に減速、サービスが若干加速という結果だった。
コア指数は前年比で3月18.69%→4月20.37%→5月19.87%→6月19.18%となりやや減速したが伸び率は高く、15年のピーク(15年3月の17.53%)を上回っている。
6月の前月比は総合指数で▲0.35%(5月0.12%)となりマイナスに転じたが、コア指数は0.18%(5月0.40%)と減速しつつもプラスの伸び率を維持している(図表3)。
一方、別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)で見ると、週次ペースでの上昇は5月下旬にはゼロもしくはマイナスとなる時期が続いたが、7月1日には光熱費などの上昇を受けて前週比0.23%と再びプラス成長となり、ウクライナ戦争前よりもやや高めの伸び率を記録した(図表4)。
大分類別に見ると、食料品が前年比で3月17.99%→4月20.48%→5月20.05%→6月17.98%、財(非食料品)が3月20.34%→4月20.19%→5月19.20%→6月17.92%、サービスが3月9.94%→4月10.87%→5月10.03%→6月10.17%となり、食料品および財(非食料品)が大幅に減速、サービスが若干加速という結果だった。
コア指数は前年比で3月18.69%→4月20.37%→5月19.87%→6月19.18%となりやや減速したが伸び率は高く、15年のピーク(15年3月の17.53%)を上回っている。
6月の前月比は総合指数で▲0.35%(5月0.12%)となりマイナスに転じたが、コア指数は0.18%(5月0.40%)と減速しつつもプラスの伸び率を維持している(図表3)。
一方、別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)で見ると、週次ペースでの上昇は5月下旬にはゼロもしくはマイナスとなる時期が続いたが、7月1日には光熱費などの上昇を受けて前週比0.23%と再びプラス成長となり、ウクライナ戦争前よりもやや高めの伸び率を記録した(図表4)。
各品目の消費ウエイトも考慮して、全体のインフレ率への寄与を品目別に見ると(図表7・8)、前年比上昇率への寄与が大きい品目は乳製品(0.7%ポイント)、肉(0.6%ポイント)、青果物(0.5%ポイント)、住居・公益サービス(0.4%ポイント)となった。前月比上昇率の寄与は、海外旅行サービス(0.1%ポイント)、旅客サービス(0.1%ポイント)がプラスに寄与する一方、青果物(▲0.4%ポイント)が大幅マイナスとなり、前月比伸び率のマイナスに大きく貢献していることが分かる。
なお、現時点で統計局ウェブサイトでは乗用車の上昇率が公表されていないが、5月時点では、引き続き乗用車の前年比上昇率寄与(2.5%ポイント)が大きい状況である。ただし、前月比では乗用車もマイナス寄与であり、物価上昇圧力は軽減していると見られる(図表9)。
なお、現時点で統計局ウェブサイトでは乗用車の上昇率が公表されていないが、5月時点では、引き続き乗用車の前年比上昇率寄与(2.5%ポイント)が大きい状況である。ただし、前月比では乗用車もマイナス寄与であり、物価上昇圧力は軽減していると見られる(図表9)。
3 大分類である食料品、財(非食料品)、サービスをそれぞれ細目別に分類したもの(中分類)のうち、統計局のウェブサイトで公表しているものを記載。ウェブサイトで中分類が公表されていないものは、より細かい品目(小分類)のデータを記載。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年07月11日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/09/12 | ECB政策理事会-2会合連続で全会一致の据え置き決定 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/12 | 欧州経済見通し-関税合意後も不確実性が残る状況は続く | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/09/11 | ロシアの物価状況(25年8月)-前年比の低下基調が継続、8%台前半に | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/05 | トランプ関税後の貿易状況(25年9月更新版) | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年09月16日
インド消費者物価(25年9月)~8月のCPI上昇率は+2.1%に上昇、GST合理化でインフレ見通しは緩和 -
2025年09月16日
タイの生命保険市場(2024年版) -
2025年09月16日
外国人問題が争点化した背景-取り残されたと憤る層を包摂する政策を -
2025年09月16日
男性の育休取得の現状(2024年度)-過去最高の40.5%へ、産後パパ育休で「すそ野拡大」効果も -
2025年09月16日
今週のレポート・コラムまとめ【9/9-9/12発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【ロシアの物価状況(22年6月)-総合指数は前月比マイナスに】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ロシアの物価状況(22年6月)-総合指数は前月比マイナスにのレポート Topへ