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世界各国の市場動向・金融政策(2022年6月)-6月は世界的な株安・ドル高の展開
経済研究部 主任研究員 高山 武士
1 本稿では金融政策はG20について確認する。また、株価・為替についてはMSCI ACWIの指数を構成する47か国・地域について確認する。中国と記載した場合は中国本土を指し香港は除く。また、香港等の地域も含めて「国」と記載する。本文中の先進市場と新興市場の区分についてはMSCIの分類に基づく。
2.ロシアの金融市場と商品価格
なお、外貨建て国債に関して、ISDA傘下の決定委員会は6月1日に利払い不履行の判断を示している。4月4日償還日分で猶予期間中に支払いは実施されていたが、猶予期間中の利息分については支払われておらず、この部分が不履行と認定された3。また、その後5月27日の利払いについても猶予期限までの支払いができず、米格付け会社のムーディーズはデフォルトに相当するとの見解を表明している4。
2 ロシアのウクライナ侵攻と経済・金融制裁を受けて、3月にロシアはMSCI ACWIから除外されているが、世界の金融市場に大きな影響を及ぼしたその後の状況を確認するため、本節で概観する。
3 例えば日本経済新聞電子版2022年6月2日「ロシア国債、利払い「不履行」認定 国際金融団体」(22年7月1日アクセス)
4 例えば日本経済新聞電子版2022年6月2日「ロシア国債「デフォルトに該当」 ムーディーズが見解」(22年7月1日アクセス)
5 例えばBloomberg, Food Inflation Relief Is Within Sight as Crops and Crude Pull Back, 2022年6月28日(22年7月1日アクセス)
6 例えば、日本経済新聞電子版2022年6月16日「ドイツ向けガス供給、ロシアが追加削減 6割減に」(22年7月1日アクセス)
3.株価(MSCI)・為替レートの動き
7 ただし、名目実効為替レートは6月28日時点の前月末比で算出。
ECBはまだ利上げを実施していないが、定例会合で7月1日の純資産購入の終了を決定し、7月会合での利上げを予告した。加えて15日には臨時の会合を開催し、南欧など一部地域の金利上昇が金融政策の伝達を阻害する「分断化(fragmentation)」のリスクに対抗するための措置(PEPP償還再投資への柔軟性適用、新しい分断化防止手段の設計加速)を決定した。
一方、日本銀行は金融緩和を維持する方針を決定し、他の中銀との姿勢の違いが目立っている。
G7以外の国ではオーストラリア、インド、ポーランド、ブラジル、アルゼンチン、チェコ、メキシコ、ハンガリー、スウェーデンで利上げを決定している。
他方、ロシアでは政策金利を9.5%まで引き下げ、ウクライナ侵攻直前の政策金利と同じ水準とした。
これ以外の国では、トルコでは、物価が上昇する中で政策金利を6会合連続で据え置いており、中国人民銀行は前月5月に5年物LPR(最優遇貸出金利)を引き下げていたが、6月の金利変更は見送っている。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年07月01日「経済・金融フラッシュ」)
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- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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