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- ロシアGDP(2022年1-3月期)-減速したものの、プラス成長は維持
2022年06月20日
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1.結果の概要:前年同期比3.5%とやや減速
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:西側諸国から経済・金融政策を課されたものの、1-3月期はプラス成長を維持
ロシアの22年1-3月期の実質GDP伸び率は3.5%で、5月18日に公表されていた予備推計値(3.5%)と変わらなかった。また、季節調整系列の前期比は0.5%となり、こちらも21年10-12月期(1.4%)から減速したもののプラス成長は維持している。
ロシアは2月下旬にウクライナに侵攻し、西側諸国から経済・金融制裁を課されている。特に3月以降は政策による経済への影響も大きくなったものと見られるが、成長率は若干の減速に留まり、前年同期比でも前期比でもプラスが維持された。執筆時点では需要別のデータはロシア連邦統計局のウェブサイト上で未公表であるため、公表された産業別データなどを確認したい。
産業別の前年同期比は、ほとんどの業種でプラス成長となっている(図表3)1-3月期は特に、第二次産業の「鉱業」第三次産業の「芸術・娯楽」やの伸び率が高かった。一方、「電気・ガス」「教育」「医療」「自家利用2」はマイナス成長となったが、マイナス幅は小幅だった。
ロシアは2月下旬にウクライナに侵攻し、西側諸国から経済・金融制裁を課されている。特に3月以降は政策による経済への影響も大きくなったものと見られるが、成長率は若干の減速に留まり、前年同期比でも前期比でもプラスが維持された。執筆時点では需要別のデータはロシア連邦統計局のウェブサイト上で未公表であるため、公表された産業別データなどを確認したい。
産業別の前年同期比は、ほとんどの業種でプラス成長となっている(図表3)1-3月期は特に、第二次産業の「鉱業」第三次産業の「芸術・娯楽」やの伸び率が高かった。一方、「電気・ガス」「教育」「医療」「自家利用2」はマイナス成長となったが、マイナス幅は小幅だった。
産業別の前期比は、第一次産業が▲3.6%、第二次産業が0.7%、第三次産業(金融・不動産)が▲1.0%、第三次産業(その他)が0.2%となった。第一次産業や第三次産業(金融・不動産)はマイナス成長だが、急落というほどの落ち込みではない(図表4)。より細かい産業分類で見ると、プラス幅大きかった産業は「運搬」、マイナス幅が大きかった産業は「不動産」だった。
1-3月期の名目成長率は前年同期比27.8%(21年10-12月期は24.8%)、GDPデフレータ伸び率は前年同期比23.4%(同18.8%)だった(図表5)。国内の消費者物価は制裁の影響を受けて3月から急上昇しており(2月9.15%→3月16.69%)3、デフレータも1-3月期には加速した。
1-3月期の名目成長率は前年同期比27.8%(21年10-12月期は24.8%)、GDPデフレータ伸び率は前年同期比23.4%(同18.8%)だった(図表5)。国内の消費者物価は制裁の影響を受けて3月から急上昇しており(2月9.15%→3月16.69%)3、デフレータも1-3月期には加速した。

今後、5月以降の状況がどうなっているのか、その状況・データが引き続き注目される。
2 自家利用の財・サービス。便宜的に第三次産業(その他)に含めた。
3 高山武士(2022)「ロシアの物価状況(22年3月)-経済・金融制裁の影響で急上昇」『経済・金融フラッシュ』2022年04月11日
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年06月20日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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