- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 保険計理 >
- 13日の金曜日は毎年必ず現れるってこと知っていますか-全ての曜日と日付の組み合わせが毎年必ず現れます-
はじめに
これに対して、「本当か?」、「それは何故?」というような照会をいただいたので、今回はこれについての話題を取り上げてみることにした。
13日の金曜日が毎年必ず現れることの証明
ここで、③の余りの数字は、1月の特定の日付に対して、当該月の翌月の同じ日付の曜日がどれだけずれているのかを示している。例えば、1月13日が日曜日だった場合、2月13日は3日ずれることから水曜日、3月13日も水曜日、4月13日は6日ずれて土曜日、というような具合である。
図表によれば、③に0~6の数字が必ず少なくとも1つは現れている。このことは、1月の特定の日付に対して、2月以降の当該日付の曜日について、月曜日から日曜日までの全ての曜日が、どこかの月で現れることを意味している(厳密に言えば、31日がある月は限られているので、31日の場合には全ての曜日が現れるとは限らない。実際に例えば、2022年のケースでは、31日の金曜日は現れない)。
また、平年の場合では、「3」という数字が3回現れてくることから、これに該当する月の日付と曜日の組み合わせは年に3回現れてくることになる(具体的には、2022年のケースでは、2月と3月の11月の日付と曜日の組み合わせが同じになっている)。一方で、うるう年の場合には、最大2回しか同じ数字が現れてこないので、日付と曜日が同じケースは最大でも2回しか現れてこないことになる。
これにより、「全ての曜日と日付の組み合わせが毎年必ず現れる。」ということになり、また「ある特定の曜日と日付の組み合わせについては、年に3回現れることもある。」ということになる。その特殊なケースとして、「現在のグレゴリオ暦では、1年に、最低1回、最大で3回、13日の金曜日が現れる。」と言えることになる。
さらに、全ての曜日と日付の組み合わせが5月から11月の間に現れる
実際に、例えば2022年のカレンダーを見てもらうと、「1日」について、5月は日曜日、6月は水曜日、7月は金曜日、8月は月曜日、9月は木曜日、10月は土曜日、11月は火曜日、となっていることが確認できる。
このことと、平年では2月が28日で、2月と3月の日付と曜日の組み合わせが同じになることから、先に述べたように、平年ではこの2月の日付と曜日の組み合わせが年に3回現れてくることになる。
このような形にはならないケースも考えられる
具体的には、極端なケースとして、1月から11月までが全て28日で12月が57日だったら、1月から12月までの1日から28日までの各日付の曜日は全て1月と同じものになっていることになる。そこまで極端ではなくても、「30日、31日、30日」(合計91日)というセットで3か月を1セットにして3つのサイクルとし、最後の3か月を「30日、31日、31日」(合計92日)とした場合も、3か月ごとに、対応する月の同じ日付の曜日は同じとなって、結局3つのパターンしか現れない形になる。従って、各月の日数がこのような配分になっていたら、13日の金曜日が現れない年もあることになっていたことになる。
一般的なケースを考えてみよう
現実には、各月の日数は平準化されており、ほぼ30日か31日(2月のみ28日か29日)となっている。従って、先に述べた後者の例でも見られるように、「余り」の分布の組み合わせによっては、累積の余りに0から6の全ての数字が現れてくるとは限らないケースが結構発生してくることになる。
その意味では、現在のような各月の日数配分になって、全ての曜日と日付の組み合わせが毎年現れてくる形になっているのは、多様性(?)や変化が感じられる(?)という観点からは、興味深いものになっていると言えるのかもしれない。
暦に関しては、過去の基礎研レター「現在の暦年はなぜ冬の1月という時期からスタートするのか?」(2019.5.13)において報告しているが、その中で、現在のような各月の日数配分になっていった経緯等も一定程度説明している。
そこで述べたように、もちろん今回のような結果を意図して、各月の日数が定められていったわけではないが、結果的に後世の人々にとっては、ある意味において望ましいものとなっていたとも言えなくない。
最後に
現在の暦に関しては、今回紹介したような何気ない事実が隠されているということをご認識いただく1つの機会を提供できたのではないかと思っている。
このようなことは他のケースでも見られるものと思われる。我々が日常生活において触れているものの中には、改めて聞いてみると、「それ本当なの?」とか、「何でそうなっているのか」と思われることがあると思われる。時には、こうしたことに思いを巡らすのもよいのではないかと思った次第である。
中村 亮一
研究・専門分野
(2022年06月22日「研究員の眼」)
関連レポート
- 数字の「13」に関わる各種の話題-「13」は西洋では忌み数として嫌われているようだが-
- 現在の暦年はなぜ冬の1月という時期からスタートするのか?
- 数字の「17」は結構興味深い数字だって知っていますか
- 数字の「7」に関わる各種の話題-「7」は何で人気が高い特別な数字として考えられているのか?-
- 数字の「9」は縁起の悪い数字なのかそれとも縁起の良い数字なのか-国によっても捉えられ方は異なっている-
- 数字の「12」が持つ意味とその不思議な魅力-「12」という数字は何でこんなに生活の多くの場面で使われているのか?-
- 意外と知らない「ゼロ」の持つ意味と概念―あなたも「ゼロ」という数字から、知的探求、始めてみませんか?-
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月29日
急速に導入が進むインドの再生可能エネルギー~2030年の国際公約達成を狙える位置に -
2024年03月29日
身体活動基準2023~座位行動時間、筋トレに関する指針が追加 -
2024年03月29日
鉱工業生産24年2月-不正問題の影響で自動車生産が一段と落ち込む -
2024年03月29日
管理職志向が強いのはどんな女性か~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(6) -
2024年03月29日
雇用関連統計24年2月-就業者数が大幅に増加する一方、新規求人数は減少が続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【13日の金曜日は毎年必ず現れるってこと知っていますか-全ての曜日と日付の組み合わせが毎年必ず現れます-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
13日の金曜日は毎年必ず現れるってこと知っていますか-全ての曜日と日付の組み合わせが毎年必ず現れます-のレポート Topへ