2022年06月17日

米住宅着工・許可件数(22年5月)-着工、許可件数ともに戸建て住宅の減速が顕著

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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1.結果の概要:着工、許可件数ともに前月、市場予想を下回る

6月16日、米国センサス局は5月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は154.9万件(前月改定値:181.0万件)と172.4万件から上方修正された前月、市場予想の169.3万件(Bloomberg集計の中央値)を下回った(図表1、図表3)。

着工許可件数(季節調整済、年率)は169.5万件(前月改定値:182.3万件)と181.9万件から小幅上方修正された前月、市場予想の177.8万件を下回った(図表2、図表5)。
(図表1)住宅着工件数/(図表2)住宅着工許可件数

2.結果の評価:着工、許可軒数ともに戸建ての減速が顕著

住宅着工件数の伸びは前月比▲14.4%(前月:+5.5%)と20年4月(▲26.1%)以来のマイナス幅となった(図表3)。内訳をみると、戸建てが▲9.2%(前月:▲2.9%)と3ヵ月連続のマイナスとなったほか、集合住宅が▲23.7%(前月:+24.4%)と前月のプラスから20年8月(▲31.1%)以来のマイナス幅となり、全体を押し下げた。

前年同月比でも▲3.5%(前月:+20.3%)と20年2月(▲9.0%)以来、15ヵ月ぶりのマイナスとなった。内訳をみると、集合住宅が+0.6%(前月:+47.1%)とかろうじてプラスを維持した一方、戸建てが▲5.3%(前月:+9.0%)と前月からマイナスに転じて全体を押し下げた。

地域別寄与度(前月比)は、北東部が+1.2%ポイント(前月:▲3.5%ポイント)、中西部が+0.2%ポイント(前月:▲1.5%ポイント)と前月からプラスに転じた一方、南部が▲11.6%ポイント(前月:+9.7%ポイント)、西部が▲4.3%ポイント(前月:+0.8%ポイント)とマイナスに転じて全体を押し下げた。
(図表3)住宅着工件数(伸び率)/(図表4)住宅着工件数前月比(寄与度)
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比▲7.0%(前月:▲3.0%)と2ヵ月連続でマイナスとなった(図表5)。戸建てが▲5.5%(前月:▲4.6%)と3ヵ月連続でマイナスとなったほか、集合住宅が▲9.4%(前月:▲0.3%)と2ヵ月連続でマイナスとなった(図表6)。

前年同月比は+0.2%(前月:+3.3%)とこちらは4ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが▲7.9%(前月:▲3.7%)と3ヵ月連続でマイナスとなった一方、集合住宅が+17.0%(前月:+16.5%)と3ヵ月連続で2桁の伸びを維持して全体を押し上げた。
(図表5)住宅着工許可件数(伸び率)/(図表6)住宅着工許可件数前月比(寄与度)
(図表7)住宅市場指数(項目別) 一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、6月が67(前月:69)と5ヵ月連続の低下となり、20年6月(58)以来の水準に悪化した(図表7)。内訳は販売現況が77(前月:78)、販売見込みが61(前月:63)、客足が48(前月:53)となり、いずれも前月から悪化した。

NAHBは「高インフレと低成長の経済環境の中で住宅市場が減速している」とし、「住宅取得能力の低下により初回購入住宅市場が影響を受けているほか、住宅ローン金利上昇による住宅需要の軟化が建設業者はより慎重な姿勢をとっている」と指摘している。当面、住宅価格や住宅ローン金利の上昇を背景に住宅需要の減退は不可避だろう。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2022年06月17日「経済・金融フラッシュ」)

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【米住宅着工・許可件数(22年5月)-着工、許可件数ともに戸建て住宅の減速が顕著】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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