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- ロシアの物価状況(22年4月)-前年比で15年のピークを上回る
2022年05月16日
1.結果の概要:前年比で17.8%、前月比で1.6%
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 生鮮食品など季節的要因による影響を受ける品目や管理品目を除いた指数。
2.結果の詳細:非食料品の物価圧力は低下したが食料品やサービスのインフレ圧力は強い
4月のロシアのインフレ率は前年比で17.83%となり、3月の16.69%からさらに上昇した。前年比伸び率は15年のピーク(15年3月の16.92%)を超えた。
2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けた、国内の物価上昇圧力が継続している。大分類別に見ると、食料品が前年比で3月17.99%→4月20.48%、財(非食料品)が3月20.34%→4月20.19%、サービスが3月9.94%→4月10.87%となった。財(非食料品)への価格上昇圧力が低下する一方で、食料品の伸び率が大幅に上昇した。また、サービス価格も前年比で2桁の伸び率に達した。
コア指数は前年比で3月18.69%→4月20.37%となり、幅広い財・サービスに対して物価上昇圧力が見られる。
3月のインフレ率を前月比で見ると1.56%だった。2月(7.61%)に記録した大幅な上昇率からは大きく減速したが、ウクライナ侵攻前の伸び率(多くの月でゼロ%台)と比較するとまだ高い伸び率と言える(図表3)。
一方、別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)で見ると、週次ペースでの上昇は3月4日の前週比2.2%をピークに減速傾向にあり、5月6日には前週比0.12%となった(図表4)。これは、ウクライナ侵攻前の伸び率と同程度である。
2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けた、国内の物価上昇圧力が継続している。大分類別に見ると、食料品が前年比で3月17.99%→4月20.48%、財(非食料品)が3月20.34%→4月20.19%、サービスが3月9.94%→4月10.87%となった。財(非食料品)への価格上昇圧力が低下する一方で、食料品の伸び率が大幅に上昇した。また、サービス価格も前年比で2桁の伸び率に達した。
コア指数は前年比で3月18.69%→4月20.37%となり、幅広い財・サービスに対して物価上昇圧力が見られる。
3月のインフレ率を前月比で見ると1.56%だった。2月(7.61%)に記録した大幅な上昇率からは大きく減速したが、ウクライナ侵攻前の伸び率(多くの月でゼロ%台)と比較するとまだ高い伸び率と言える(図表3)。
一方、別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)で見ると、週次ペースでの上昇は3月4日の前週比2.2%をピークに減速傾向にあり、5月6日には前週比0.12%となった(図表4)。これは、ウクライナ侵攻前の伸び率と同程度である。
各品目の消費ウエイトも考慮して、全体のインフレ率への寄与を品目別に見ると(図表6・7)、前年比上昇率への寄与が大きい品目は青果物(1.5%ポイント)、肉(0.7%ポイント)、乳製品(0.7%ポイント)、海外旅行サービス(0.6%ポイント)だった。同様に前月比上昇率への寄与が大きい品目は乳製品(0.1%ポイント)、肉(0.1%ポイント)、アルコール飲料(0.1%ポイント)、旅客サービス(0.1%ポイント)となった。
なお、3月時点では、乗用車の前年比上昇率寄与(2.6%ポイント)も大きかった(図表8)。現時点で統計局ウェブサイトでは乗用車の上昇率が公表されていないが、今後の価格動向が注目される。
なお、3月時点では、乗用車の前年比上昇率寄与(2.6%ポイント)も大きかった(図表8)。現時点で統計局ウェブサイトでは乗用車の上昇率が公表されていないが、今後の価格動向が注目される。
3 大分類である食料品、財(非食料品)、サービスをそれぞれ細目別に分類したもの(中分類)のうち、統計局のウェブサイトで公表しているものを記載。ウェブサイトで中分類が公表されていないものは、より細かい品目(小分類)のデータを記載。
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(2022年05月16日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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