- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 資産運用・資産形成 >
- 株式 >
- 投資家置き去りの東証プライム市場-真の「プライム企業」とは
2022年04月11日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
4月4日にスタートした東証プライム市場に期待する投資家は極めて少ない。最大の理由は「銘柄数が多すぎる」ことだ。東証1部上場企業の8割以上がプライム市場に移行したこともあり、「投資家から見れば実質的に何も変わらない」という。
試算したところ、PBR(株価純資産倍率)やROE(自己資本利益率)といった「経営クオリティ」が高い600銘柄程度に絞り込むと、市場全体のリターン(収益率)が年率2.2%改善した一方、リスクは年率0.2%の上昇にとどまった。
この結果は、上場基準で「経営の質」を考慮すると投資対象としての株式市場の魅力度を高め、「海外から投資マネーを集める」という市場再編の目的のひとつを達成させる可能性を示唆している。いっそプライム市場の抜本改革が求められるが、スタートしたばかりで具合が悪ければ、さらに上位の少数精鋭市場を創設することも検討に値する。
◆ポイント
4月4日にスタートした東証プライム市場に期待する投資家は極めて少ない。最大の理由は「銘柄数が多すぎる」ことだ。東証1部上場企業の8割以上がプライム市場に移行したこともあり、「投資家から見れば実質的に何も変わらない」という。
試算したところ、PBR(株価純資産倍率)やROE(自己資本利益率)といった「経営クオリティ」が高い600銘柄程度に絞り込むと、市場全体のリターン(収益率)が年率2.2%改善した一方、リスクは年率0.2%の上昇にとどまった。
この結果は、上場基準で「経営の質」を考慮すると投資対象としての株式市場の魅力度を高め、「海外から投資マネーを集める」という市場再編の目的のひとつを達成させる可能性を示唆している。いっそプライム市場の抜本改革が求められるが、スタートしたばかりで具合が悪ければ、さらに上位の少数精鋭市場を創設することも検討に値する。
◆ポイント
- 投資家も証券会社もプライム市場に期待していない現実
- 経営クオリティの高い600銘柄程度に厳選すると市場の投資魅力度が大幅改善
- ガバナンス基準等でさらに絞り込むと短期的なリスクを軽減する可能性
(2022年04月11日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1852
経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
2023年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会認定アナリスト
井出 真吾のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/01/09 | 日経平均4万円回復は? | 井出 真吾 | 基礎研マンスリー |
2024/12/23 | 日経平均4万円回復は? | 井出 真吾 | 研究員の眼 |
2024/11/06 | 「選挙は買い」は本当か | 井出 真吾 | ニッセイ年金ストラテジー |
2024/08/07 | 新NISAスタートから半年 理想を追ったら資産が半分に!?-長期投資で大失敗しないために | 井出 真吾 | 基礎研マンスリー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年02月18日
今週のレポート・コラムまとめ【2/12-2/17発行分】 -
2025年02月17日
タイ経済:24年10-12月期の成長率は前年同期比3.2%増~純輸出と政府支出が拡大、2期連続で+3%台の成長に -
2025年02月17日
ロシアの物価状況(25年1月)-サービスインフレ加速で前年比9.9%まで上昇 -
2025年02月17日
政策形成の「L」と「R」で高額療養費の見直しを再考する-意思決定過程を詳しく検討し、問題の真の原因を探る -
2025年02月17日
QE速報:10-12月期の実質GDPは前期比0.7%(年率2.8%)-3四半期連続のプラス成長も、内需は低迷
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【投資家置き去りの東証プライム市場-真の「プライム企業」とは】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
投資家置き去りの東証プライム市場-真の「プライム企業」とはのレポート Topへ