2022年04月04日

コロナ禍で職場1~2年目の20代の仕事や職場への考え方に変化はあったか

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任   村松 容子

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1――はじめに

1| 背景
新型コロナウイルスの流行は、業務内容や業績に影響があった企業や職場があっただけでなく、直接的な影響が少ない企業や職場においても、対面打ち合わせや会合の自粛や、テレワークや時差出勤、オンライン打ち合わせの活用など、企業等における働き方にも影響を及ぼしている。働き方の見直しは、新型コロナウイルスの流行前から進められてきており、感染収束後もテレワークや時差出勤を利用する従業員は増えるほか、オンライン打ち合わせの活用も進むと思われる。しかし、これまでオフィスで働くことが多かった職場においては、業務にまだ慣れていない職場在籍期間が短い従業員、特に若い従業員の育成が課題となり得る。
2| 使用したデータ
本稿では、ニッセイ基礎研究所が2019年、2020年、2021年に行ったWEBアンケートの結果を使って、2021年調査のおける職場1~2年目の20代の仕事や職場への考え方に、2019年、2020年調査における職場1~2年目の20代、あるいは、他年代とどういった差があるか紹介する。

本調査の対象は、全国の18~64歳の被用者(公務員もしくは会社に雇用されている人)の男女個人1で、各年の回収数は、順に6,201件、6,485件、5,808件だった。

以下では、まず、2021年2月における在宅勤務利用状況を紹介し、仕事や職場に関する考え方について、2019年、2020年、2021年調査の結果を比較した。比較は年代別に行った。続いて、20代については職場の在籍期間が1~2年目(22~26歳)と、3~5年目(24~29歳)について行った結果を紹介する。
 
1 「被用者の働き方と健康に関する調査」2019~2021年。調査は、調査会社の登録モニタを対象に行った。回収期間は、2019年が3月、2020年と2021年が2~3月である。全国6地区、性別、年齢階層別(10歳ごと)の分布を、2015年の国勢調査の分布に合わせて回収した。2020年調査、2021年調査では、まず、過去に回答したモニタから回収し、前述分布に不足する分を新規に回収した。

2――職場1~2年目の20代は、在宅勤務の頻度が高かった

2――職場1~2年目の20代は、在宅勤務の頻度が高かった

2021年調査で、2021年2月の在宅勤務頻度を尋ねたところ、「まったくしていない」は全体の69.8%で、残る30.2%が在宅勤務を実施していた。年代別でみると、「毎日(もしくはほぼ毎日)」、「週に4日程度」などの比較的高い頻度の在宅勤務者の割合には、年代による大きな差はなかったが、「月に1~3回程度」や「週1日程度」といった低い頻度もあわせると、若年ほど在宅勤務を実施していた(図表1)。

ところが、22~26歳の職場に配属されて1~2年目の20代だけでみると、「毎日(もしくはほぼ毎日)」と回答した割合は11.0%と、今回のデータでは全体を大きく上回った。2021年の2月は、1月にはじまった流行の第3波のまっただ中であり、在宅勤務が多かった時期だった。集合型の新人研修は、オンラインで実施した企業が多かった可能性があるが、2月まで新人研修が継続している企業は少ないと思われることから、他の年代との差については、今後詳細を確認する必要がある。
図表1 在宅勤務実施状況(2021年2月の実施状況)

3――仕事や職場に関する考え方の変化

3――仕事や職場に関する考え方の変化

仕事や会社に関する考え方として、「仕事の内容は自分にあっている2」「自分のペースで仕事ができる2」「上司と気軽に話ができる3」「会社や同僚の役に立ちたい4」「仕事にのめり込んでいる・夢中になってしまう4」という5つの質問について、2019年調査、2020年調査、2021年調査の結果を比較した( 図表2)。
図表2 仕事や会社への考え方
 
2 「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」の4段階で尋ね、本稿では「そうだ」と「まあそうだ」の合計を使用した。
3 「非常に」「かなり」「多少」「まったくない」の4段階で尋ね、本稿では「非常に」と「かなり」の合計を使用した。
4 「あてはまる」「ややあてはまる」「どちらとも言えない」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」の5段階で尋ね、本稿では「あてはまる」と「まああてはまる」の合計を使用した。
(1) 仕事の内容は自分にあっている
この3年間で全体、年代別、20代の職場在籍期間別のいずれにおいても大きな差は見られなかった。

3年間を通じた年代による特徴をみると、若年ほど低く、29歳以下では6割程度であるのに対し、60~64歳では7割を超えて高かった。職場1~2年目の20代は、29歳以下全体と比べて低い傾向があった。

(2) 自分のペースで仕事ができる
2019年から2020年、2021年にかけて全体で上昇していた。年代別にみても上昇傾向があり、29歳以下の若年でも同様だった。

3年間を通じた年代による特徴をみると、若年ほど低く、29歳以下では5割程度であるのに対し、60~64歳では6割を超えて高かった。職場1~2年目の20代は、29歳以下全体と比べて低い傾向があった。

(3) 上司と気軽に話ができる
2021年は、全体で低下していた。これは、年代別にみても同様だった。2021年は、新型コロナウイルス感染対策として、対面での打ち合わせや日常会話が避けられ、上司に限らず、社内で気軽に話がしづらかった可能性が考えられる。29歳以下では、2020年と比べて低下していたが、新型コロナウイルスの流行前である2019年と同程度だった。

3年間を通じた年代による特徴をみると、50代以上で高く、60~64歳では5割程度と高かった。職場1~2年目の20代は、29歳以下全体と比べても低い傾向があった。
 
(4) 会社や同僚の役に立ちたい
この3年間で全体では大きな差は見られなかったが、年代別にみると、40代以上で2019年から2021年にかけて横ばいまたは上昇していたが、職場1~2年目の20代では2021年調査では、2019年、2020年調査と比べて低下していた。
 
(5) 仕事にのめり込んでいる・夢中になってしまう
2019年から2020年、2021年にかけて全体で上昇していた。しかし、年代によって差があり、30代以上では2021年に上昇していたのに対し、職場1~2年目の20代は、2021年調査は、2019年、2020年調査と比べて低かった。

3年間を通じた年代による特徴をみると、2019年調査と2020年調査では、若年ほど高かったが、2021年調査では60~64歳で大幅に上昇したことから60~64歳が最も高くなっていた。

4――おわりに

4――おわりに

職場1~2年目の20代に注目すると、「仕事の内容は自分にあっている」「自分のペースで仕事ができる」「上司と気軽に話ができる」は、標準的なストレスチェックの質問にも含まれる項目であるが、2021年調査の結果は新型コロナウイルス流行前である2019年調査と比べて大きな差はなかった。一方、「会社や同僚の役に立ちたい」「仕事にのめり込んでいる・夢中になってしまう」は、各自の業務に対するモチベーションを知るための目安となり得るが、2021年調査の結果は、40代以上ではどちらかと言えば上昇傾向にあったが、職場1~2年目の20代では低下していた。

図表1のとおり、今回の調査で職場1~2年目の20代で在宅勤務が比較的高頻度で実施されており、職場で同僚や先輩とともに働く機会が少なかった可能性があることから、職場におけるコミュニケーションとの関連を今後注視していく必要があるだろう。一方「上司と気軽に話ができる」は職場1~2年目の20代は、他年代と比べて水準は低いが、新型コロナウイルスの流行前である2019年調査と比べると大きな低下はなかった。他年代では2019年調査より低下していたことから、コロナ禍において、通常どおり業務遂行ができなかった職場も多かったと思われるが、特に新規配属者とのコミュニケーションには工夫があった可能性がある。
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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

村松 容子 (むらまつ ようこ)

研究・専門分野
健康・医療、生保市場調査

(2022年04月04日「基礎研レター」)

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