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1.結果の概要:失業率の低下が続く
【11月】
・失業保険申請件数1は前月(201.95万件)から4.98万件減の196.98万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.9%となり、前月(同5.0%)から低下した。
【10月(8-10月の3か月平均)】
・失業率は4.2%で前月(4.3%)から低下、市場予想2(4.2%)と同じだった(図表1)。
・就業者は3250.6万人で3か月前の3235.7万人から14.9万人の増加となった。
増減数は前月(24.7万人)から減少、市場予想(+22.5万人)を下回った。
・週平均賃金は、前年同期比4.9%で前月(5.9%)から減速したものの、市場予想(4.6%)は上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:雇用維持政策の終了後も雇用データは悪化せず
給与所得者データ4では、11月の給与所得者が2943.2万人となり10月から25.7万人増えた(図表4)。産業別に見ると、11月は居住・飲食や事務サービス業の増加が顕著で、最近は同様の傾向が続いている。月あたり給与額(中央値)については前年同月比4.7%で10月(5.1%)からは減速したが、引き続き高めの伸び率を維持している(図表4・5)。
8-10月の平均賃金は前年同期比4.9%(実質は1.7%)とベース効果の剥落に伴い減速傾向にある。コロナ禍の影響を除くために2年前比で見ると、名目値が7.7%と7%を超える伸びを続ける一方、実質値は3.7%となり、インフレ率が高いことが影響し3%台まで減速している(図表5)。
3 単月データは未季節調整値であり、例年10月は求人が多い季節性がある点に留意。なお、3か月平均のデータは季節調整値。
4 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは利用可能な情報の85%ほどを集計して算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年12月15日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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