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- 中国経済:貿易統計(2021年11月)~輸出の伸びは鈍化、輸入は拡大
2021年12月07日
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1.貿易収支

輸出額、輸入額ともに前月10月よりも拡大しているが、その背景には単価が上昇していることが挙げられる。とりわけ主要輸入品目に着目すると、概して各輸入品目の数量は減少しているものの、輸入単価の上昇が顕著となった。
また、中国では11月下旬に遼寧省におけるコロナ感染拡大が一服していたものの、続いて内モンゴル自治区フルンボイル市を中心にコロナが再燃している。国内生産の停滞、サプライチェーンの混乱など、貿易に及ぼす悪影響には引き続き注意したい。
2.輸出
11月の輸出は、前年比22.0%増(10月:同27.1%増)と前月から伸びが鈍化した。9月から2か月連続で伸び率は鈍化している。
輸出相手先の推移を見ると、米国、EU、日本、ASEAN、香港ともに対前年プラスとなり、その他の国々・地域への輸出は対前年マイナスが続いている。また10月と比較すると、ASEAN向けへの輸出の伸びが拡大した一方、米国、EU、日本、香港向けへの輸出の伸びは縮小した(図表-2)。
また、11月の主要輸出品目の伸び率を見ると、農産物は対前年12.9%増、紡績糸・織物(およびその製品)は同10.0%増、衣類(付属品含む)は同22.8%増、電気機械製品は同17.0%増、ハイテク製品は同14.2%増となった(図表-3)。
他の輸出品目に着目すると、レアアースが対前年110.2%増、肥料が同0.5%増、鋼材が同85.3%増、アルミニウムが同66.6%増となった。電気機械製品の内訳を見ると、家電製品が対前年21.8%増、集積回路が同37.3%増、液晶ディスプレイは同25.5%増、携帯電話とオーディオデバイスはそれぞれ同19.7%減、同30.7%減となった。
輸出相手先の推移を見ると、米国、EU、日本、ASEAN、香港ともに対前年プラスとなり、その他の国々・地域への輸出は対前年マイナスが続いている。また10月と比較すると、ASEAN向けへの輸出の伸びが拡大した一方、米国、EU、日本、香港向けへの輸出の伸びは縮小した(図表-2)。
また、11月の主要輸出品目の伸び率を見ると、農産物は対前年12.9%増、紡績糸・織物(およびその製品)は同10.0%増、衣類(付属品含む)は同22.8%増、電気機械製品は同17.0%増、ハイテク製品は同14.2%増となった(図表-3)。
他の輸出品目に着目すると、レアアースが対前年110.2%増、肥料が同0.5%増、鋼材が同85.3%増、アルミニウムが同66.6%増となった。電気機械製品の内訳を見ると、家電製品が対前年21.8%増、集積回路が同37.3%増、液晶ディスプレイは同25.5%増、携帯電話とオーディオデバイスはそれぞれ同19.7%減、同30.7%減となった。
3.輸入
11月の輸入は、前年比31.7%増(10月:同20.6%増)と伸びは拡大した。
輸入相手先の推移を見ると、米国が対前年22.0%増、EUが同4.2%増、日本が同14.4%増、ASEANが35.7%増、香港が4.5%増と、すべて対前年プラスとなった。10月と比較すると、米国、EU、日本、ASEAN、からの輸入の伸び率が拡大した一方、香港からの輸入の伸び率は縮小した(図表-4)。
また、11月の主要輸入品目の伸び率を見ると、鉄鉱石は対前年1.9%増、原油は同80.1%増、電気機械製品は同15.8%増、集積回路は同25.3%増、ハイテク製品は同20.0%増となった(図表-5)。
他の輸入品目に着目すると、電力不足の解消に向けて輸入された石炭(亜鉛含む)は対前年762.6%増と大きく拡大した。そのほか、ドライフルーツ・ナッツ類が同34.9%増、穀物が同25.7%増、美容化粧品・洗濯用品が同14.9%増であった。電気機械製品の内訳を見ると、半導体(ダイオード含む)が対前年18.1%増、医療用機器が同18.3%増であったのに対し、半導体不足の影響を受けた液晶ディスプレイは同0.2%減、自動車(シャーシ含む)は同2.1%減となった。
輸入相手先の推移を見ると、米国が対前年22.0%増、EUが同4.2%増、日本が同14.4%増、ASEANが35.7%増、香港が4.5%増と、すべて対前年プラスとなった。10月と比較すると、米国、EU、日本、ASEAN、からの輸入の伸び率が拡大した一方、香港からの輸入の伸び率は縮小した(図表-4)。
また、11月の主要輸入品目の伸び率を見ると、鉄鉱石は対前年1.9%増、原油は同80.1%増、電気機械製品は同15.8%増、集積回路は同25.3%増、ハイテク製品は同20.0%増となった(図表-5)。
他の輸入品目に着目すると、電力不足の解消に向けて輸入された石炭(亜鉛含む)は対前年762.6%増と大きく拡大した。そのほか、ドライフルーツ・ナッツ類が同34.9%増、穀物が同25.7%増、美容化粧品・洗濯用品が同14.9%増であった。電気機械製品の内訳を見ると、半導体(ダイオード含む)が対前年18.1%増、医療用機器が同18.3%増であったのに対し、半導体不足の影響を受けた液晶ディスプレイは同0.2%減、自動車(シャーシ含む)は同2.1%減となった。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年12月07日「経済・金融フラッシュ」)
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