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- 中国経済:生産者・消費者物価の動向(2021年10月)~生産者物価上昇が消費者物価を押し上げへ
2021年11月11日
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1.エネルギー価格上昇を背景に、生産者物価は上昇基調が続く
2.消費者物価も生産者物価に追随し、上昇へ
消費者物価の動きも景気動向と密接な関係があるため、生産者物価と併せて確認する必要がある。
図表-4、5に示した消費者物価の内訳をみると、10月の食品とエネルギーを除くコア部分の上昇率は前年同月比1.3%上昇で、9月の同1.2%を0.1ポイント上回った。なお前月比では、0.1%上昇した。
さらに品目別にみると、豚肉は季節的な消費需要増加や備蓄用在庫に回されたことなどから、前月比ではマイナス幅は減少するも、前年同月比では44.0%下落した。また、天候不順を背景に生鮮野菜価格は同15.9%上昇し、食品価格全体では同2.4%の下落となった。
消費品(モノ)とサービスの対比でみると、10月の消費品(モノ)は前年同月比1.6%上昇となり、9月の同0.2%上昇を1.4ポイント上回った一方、サービスは同1.4%上昇で9月の同1.4%上昇から横ばいとなった。2021年6月以降、消費品(モノ)の価格は下落基調であったが10月に上昇へと転じた一方、サービスは2021年8月以降下落基調が続いており、消費品とサービスでは異なる動きを示している。
生産者物価の上昇を背景に、中国の一部の食品メーカーでは、調味料や冷凍食品の値上げへと動いている。企業が価格転嫁を行うことで消費者物価が上昇すれば個人消費を押し下げる可能性もある。減速傾向にある中国経済では、消費低迷は避けたいところであり、今後の物価動向に注視が必要である。
さらに品目別にみると、豚肉は季節的な消費需要増加や備蓄用在庫に回されたことなどから、前月比ではマイナス幅は減少するも、前年同月比では44.0%下落した。また、天候不順を背景に生鮮野菜価格は同15.9%上昇し、食品価格全体では同2.4%の下落となった。
消費品(モノ)とサービスの対比でみると、10月の消費品(モノ)は前年同月比1.6%上昇となり、9月の同0.2%上昇を1.4ポイント上回った一方、サービスは同1.4%上昇で9月の同1.4%上昇から横ばいとなった。2021年6月以降、消費品(モノ)の価格は下落基調であったが10月に上昇へと転じた一方、サービスは2021年8月以降下落基調が続いており、消費品とサービスでは異なる動きを示している。
生産者物価の上昇を背景に、中国の一部の食品メーカーでは、調味料や冷凍食品の値上げへと動いている。企業が価格転嫁を行うことで消費者物価が上昇すれば個人消費を押し下げる可能性もある。減速傾向にある中国経済では、消費低迷は避けたいところであり、今後の物価動向に注視が必要である。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年11月11日「経済・金融フラッシュ」)
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