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- 中国経済:生産者・消費者物価の動向(2022年1月)~生産者物価、消費者物価はともに鈍化が続く
2022年02月17日
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1.生産者物価は3か月連続で鈍化するも、依然として高水準で推移
2022年2月16日の中国国家統計局の発表によると、1月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比9.1%上昇となり、21年12月の同10.3%上昇を1.2ポイント下回った。1月の消費財は同0.8%上昇、生産財は同11.8%上昇となり、いずれも前月から鈍化したが、生産財が生産者物価の上昇を牽引する状況は続いている(図表-1)。
生産財の内訳をみると、採掘工業が前年同月比35.0%上昇、原材料工業が同18.2%上昇、加工工業が同7.0%上昇となり、前月から採掘工業は9.2ポイント、原材料工業は1.5ポイント、加工工業は1.2ポイント下回った。中国当局による国内での石炭増産に伴い、石炭価格が下落したことや、不動産業界の不振による建築用資材の値下がりを背景に、生産者物価は鈍化するも依然として高い水準で推移している(図表-2)。
生産財の内訳をみると、採掘工業が前年同月比35.0%上昇、原材料工業が同18.2%上昇、加工工業が同7.0%上昇となり、前月から採掘工業は9.2ポイント、原材料工業は1.5ポイント、加工工業は1.2ポイント下回った。中国当局による国内での石炭増産に伴い、石炭価格が下落したことや、不動産業界の不振による建築用資材の値下がりを背景に、生産者物価は鈍化するも依然として高い水準で推移している(図表-2)。
2.消費者物価は2か月連続で鈍化
図表-4、5に示した消費者物価の内訳をみると、1月の食品とエネルギーを除くコアは前年同月比1.2%上昇で、2か月連続で横ばいであった。
さらに品目別にみると、生鮮野菜や豚肉などの食品価格の下落が1月の消費者物価を押し下げた。生鮮野菜は前年同月比では4.1%下落となり、前月の同10.6%上昇から14.7ポイント下落した。一方、豚肉は前年の水準が高かったため前年同月比で41.6%下落し、前月から4.9ポイント下落した。食品価格全体では前年同月比3.8%下落となった。一方、交通通信価格は、国際的なエネルギー市況を反映し、同5.2%上昇となり、前月の伸び率を0.2ポイント上回った。
消費品(モノ)とサービスの対比では、1月の消費品(モノ)は前年同月比0.4%上昇し、12月の同1.5%上昇を1.1ポイント下回った。一方、サービスは同1.7%上昇で前月を0.2ポイント上回った。
中国当局は減速気味である経済を下支えすべく、2021年12月から2か月連続で政策金利を引き下げている。足元の消費者物価が比較的に安定して推移していることから、引き続き金融緩和の流れになるのか注目したい。
さらに品目別にみると、生鮮野菜や豚肉などの食品価格の下落が1月の消費者物価を押し下げた。生鮮野菜は前年同月比では4.1%下落となり、前月の同10.6%上昇から14.7ポイント下落した。一方、豚肉は前年の水準が高かったため前年同月比で41.6%下落し、前月から4.9ポイント下落した。食品価格全体では前年同月比3.8%下落となった。一方、交通通信価格は、国際的なエネルギー市況を反映し、同5.2%上昇となり、前月の伸び率を0.2ポイント上回った。
消費品(モノ)とサービスの対比では、1月の消費品(モノ)は前年同月比0.4%上昇し、12月の同1.5%上昇を1.1ポイント下回った。一方、サービスは同1.7%上昇で前月を0.2ポイント上回った。
中国当局は減速気味である経済を下支えすべく、2021年12月から2か月連続で政策金利を引き下げている。足元の消費者物価が比較的に安定して推移していることから、引き続き金融緩和の流れになるのか注目したい。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年02月17日「経済・金融フラッシュ」)
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