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中国経済:景気指標の総点検(2021年冬季号)-10-12月期成長率は鈍化見込みも、景気評価点は4点に改善!
三尾 幸吉郎
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- 21年7-9月期の実質成長率(季節調整後)は前期比0.2%増と、4-6月期の同1.2%増から減速した。財政金融が引き締め方向に変化したことを背景に、インフラ投資は鈍化し、不動産開発業は資金繰りに苦しんでいる。一方、消費者物価は資源エネルギー高を背景に2%台の上昇が定着化しそうだが、食品・エネルギーを除いたコアCPIは1%台前半で安定している。
- 現在の景気の方向性を示す評価点を見ると(下表)、横ばい圏にあることを示す4点(10点満点)まで改善してきた。需要面の3指標を見ると、小売売上高は10月に一旦“〇”になったものの11月には“×”に戻るなど冴えない動きである。失速気味だった固定資産投資は足元で4ヵ月連続の“〇”と持ち直してきている。また、好調だった輸出は足元で“×”が目立ってきている。供給面の3指標を見ると、鉱工業生産は2ヵ月連続の“〇”で、製造業PMIも“×”から“-”に転じており、製造業には底打ちの兆しがある。その他の景気指標を見ると、電力消費量と道路貨物輸送量は8ヵ月連続の”×”と低迷しており、工業生産者出荷価格は一進一退の動きである。一方、中国人民銀行は12月20日に利下げを決めるなど、金融政策を緩和気味に微調整しており、通貨供給量(M2)は2ヵ月連続で“〇”となった。
- なお、景気インデックス(鉱工業生産、サービス業生産、建築業PMIを合成加工して毎月の実質成長率を推計したもの)は、21年10月が前年同月比3.7%増、11月が同4.0%増と前四半期(4.9%増)よりも低いため、10-12月期成長率は前四半期を下回る可能性が高い。
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