2021年08月27日

中国経済の見通し-経済成長率は巡行速度へ回帰、改革開放の軌道修正を要注視!

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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■要旨
 
  1. 現在も世界は新型コロナウイルス感染症のパンデミック渦中にあるが、中国ではほぼ沈静化したと言ってよい状況にある。江蘇省から観光名所の張家界へ広がり北京でも確認されたデルタ株も8月中旬には峠を越えた。但し、世界でパンデミックが収まらない間は、海外からいつ中国へ流入してもおかしくないため、予断を許さない状況が続きそうだ(下左図)。
     
  2. こうした環境下で中国経済は、20年4-6月期には早くもコロナ前の水準を上回り、その後も右肩上がりの回復を続け、21年4-6月期の経済成長率は実質で前年同期比7.9%増と高成長を維持した。一方、インフレに関しては、消費者物価は安定しているものの、工業生産者出荷価格(PPI)が上昇し始めており、企業利益を圧迫する恐れが浮上してきている。
     
  3. 需要項目別に見ると、21年4-6月期の実質成長率(7.9%)に対する寄与度は、最終消費が6.1ポイント、総資本形成(投資)が1.0ポイント、純輸出が0.8ポイントだった。コロナ禍から持ち直す過程では、投資が先に回復したが、ここもと3四半期連続で最終消費が最大のプラス寄与となった。中国経済は最終消費が牽引する正常な状態に戻ってきている。
     
  4. 中共中央は7月30日に開催された政治局会議で21年下半期の経済政策の基本方針を打ち出した。財政政策に関しては「連続性・安定性・持続可能性を維持する」と表明しており、引き続き経済成長を下押しすることになりそうだ。金融政策に関しても「流動性の合理的充足を維持」としており、全人代で打ち出した基本方針が大きく変化することはなさそうだ。
     
  5. 2021年の成長率は実質で前年比8.0%増、2022年は同5.3%増と予想している(下右表)。当面のリスク要因としては変異株(デルタ株など)の海外からの流入や住宅バブル崩壊などがあり、長期的なリスク要因としては「改革開放」路線の軌道修正を巡る動きが挙げられる。
COVID-19の新規確認症例/経済予測表
■目次

1. 新型コロナウイルス感染症の状況
2. 中国経済の概況
3. 需要項目別
4. 21年下半期の財政金融政策
  1|財政政策
  2|金融政策
5. 中国経済の見通し
  1|メインシナリオ
  2|リスク要因
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経済研究部   上席研究員

三尾 幸吉郎 (みお こうきちろう)

研究・専門分野
中国経済

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