2020年10月30日

中国におけるコロナ禍との闘いを振り返って~今後の政策運営にどう影響するのか?

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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■要旨

1――世界でコロナ禍が猛威を振るう中いち早く立ち直った中国経済
世界ではコロナ禍が依然として猛威を振るっており20年の世界経済はマイナス成長に落ち込む見通しだが、コロナ禍からいち早く立ち直った中国経済は新型コロナ前の成長トレンド(年率6%強)に戻るまでもう一歩のところまで回復、20年もプラス成長を維持する可能性が高い。そして、中国経済は世界における存在感をますます高めることになりそうだ。そこで本稿では、中国におけるコロナ禍との闘いを振り返った上で、コロナ禍が中国の政治・社会・経済に与えた影響を考察することとした。

2――コロナ禍との闘いの経緯
中国におけるコロナ禍との闘いを振り返ると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が初めて確認された19年12月頃から20年1月19日までの新型コロナ混迷期、新型コロナ対策に全力を挙げた1月20日から2月20日までの防疫強化期、経済活動再開に舵を切った2月21日から5月21日までの経済活動再開期、そして20年5月22日以降の4つに分けることができる。新型コロナ混迷期には最初の感染確認時期や李文亮氏の警鐘を巡る問題などで混乱した。防疫強化期には武漢を都市封鎖し経済活動を厳しく制限する中でも市民レベルの涙ぐましい取り組みやハイテク技術を駆使した最先端の取り組みが観察された。経済活動再開期には“復工復産”を旗印に経済活動を再開し武漢の都市封鎖も解除されたが、観光業の再開は一筋縄では行かなかった。そして、5月下旬に全人代が開催されて以降はゆっくりとだが着実に経済活動が正常化に向かっている。

3――コロナ禍が中国に与えた影響
最後に、コロナ禍が中国に与えた影響として3点を挙げている。第一にコロナ禍との闘いが言論統制の在り方に一石を投じたため今後は中国共産党の重要な意思決定においてより幅広く意見聴取が行われる可能性が高いこと、第二にコロナ禍を乗り越える上でも「インターネットプラス(+)」と称するデジタル戦略が有効に機能したため今後はデジタル化による構造改革が経済政策の中核に据えられる可能性が高いこと、第三にコロナ禍と地球温暖化では原因・対策に共通点が多いため新型コロナ後の中国は「グリーン経済(環境に優しい経済)」への転換を加速する可能性が高いことである。
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研究・専門分野
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