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- 中国経済:貿易統計(2021年9月)~輸出の伸びは拡大するも、輸入は鈍化
2021年10月13日
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1.貿易収支

中国では8月下旬にコロナが一服していたものの、9月初旬に福建省の莆田市や廈門市にてコロナ感染者が確認された。続いて9月下旬には黒竜江省のハルビン市で7か月半ぶりの感染者が確認されたが、その後は落ち着きを見せている。また、16日には、中国はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)加入について正式な申請を行うとともに、知財保護の戦略を発表した。コロナのみならず、貿易面における世界の構図が変容しようとしているため注視する必要がある。
2.輸出
9月の輸出は、前年比28.1%増(8月:同25.6%増)と好調である。7月から2か月連続で伸び率が上昇している。
輸出相手先の推移を見ると、米国、EU、日本、ASEAN、香港ともに対前年プラスとなった。その他の国々・地域への輸出は7-9月ともに対前年マイナスとなっている。また8月と比較すると、米国、ASEAN、香港向けへの輸出の伸びが拡大した一方、EUと日本向けへの輸出の伸びは縮小した(図表-2)。
また9月の主要輸出品目の伸び率を見ると、農産物は対前年12.1%増、紡績糸・織物(およびその製品)は同5.7%減、衣類(付属品含む)は同9.8%増、電気機械製品は同25.3%増、ハイテク製品は同28.6%増となった(図表-3)。
また他の輸出品目に着目すると、レアアースが対前年168.2%増、肥料が同104.3%増、鋼材が同109.7%増、アルミニウムが同54.3%増となった。電気機械製品の内訳を見ると、家電製品が対前年38.8%増、集積回路が同32.7%増、液晶ディスプレイは同36.6%増、同25.0%増、携帯電話は同70.0%増であったのに対し、オーディオデバイスは同36.8%減となった。
輸出相手先の推移を見ると、米国、EU、日本、ASEAN、香港ともに対前年プラスとなった。その他の国々・地域への輸出は7-9月ともに対前年マイナスとなっている。また8月と比較すると、米国、ASEAN、香港向けへの輸出の伸びが拡大した一方、EUと日本向けへの輸出の伸びは縮小した(図表-2)。
また9月の主要輸出品目の伸び率を見ると、農産物は対前年12.1%増、紡績糸・織物(およびその製品)は同5.7%減、衣類(付属品含む)は同9.8%増、電気機械製品は同25.3%増、ハイテク製品は同28.6%増となった(図表-3)。
また他の輸出品目に着目すると、レアアースが対前年168.2%増、肥料が同104.3%増、鋼材が同109.7%増、アルミニウムが同54.3%増となった。電気機械製品の内訳を見ると、家電製品が対前年38.8%増、集積回路が同32.7%増、液晶ディスプレイは同36.6%増、同25.0%増、携帯電話は同70.0%増であったのに対し、オーディオデバイスは同36.8%減となった。
3.輸入
9月の輸入は、前年比17.6%増(8月:同33.1%増)と伸びは縮小した。
輸入相手先の推移を見ると、米国が対前年16.6%増、EUが同1.1%増、日本が同5.5%増、ASEANが17.3%増、香港が8.0%増と、すべて対前年プラスとなった。8月と比較すると、米国、EU、日本、ASEAN、香港いずれからの輸入も伸びが鈍化した(図表-4)。
また9月の主要輸入品目のシェアを見ると、鉄鉱石は対前年41.1%増、原油は同34.9%増、電気機械製品は同6.2%増、集積回路は同11.5%増、ハイテク製品は同9.7%増となった(図表-5)。
また他の輸入品目に着目すると、ドライフルーツ・ナッツ類が対前年18.2%増、穀物が同27.0%増、美容化粧品・洗濯用品が同3.5%増であった。電気機械製品の内訳を見ると、世界的な供給不足に陥っている半導体(ダイオード含む)が対前年12.3%増、集積回路が同11.5%増、医療用機器が同18.9%増であったのに対し、半導体不足の影響を受けた液晶ディスプレイは同5.4%減、自動車(シャーシ含む)は同10.6%減となった。
輸入相手先の推移を見ると、米国が対前年16.6%増、EUが同1.1%増、日本が同5.5%増、ASEANが17.3%増、香港が8.0%増と、すべて対前年プラスとなった。8月と比較すると、米国、EU、日本、ASEAN、香港いずれからの輸入も伸びが鈍化した(図表-4)。
また9月の主要輸入品目のシェアを見ると、鉄鉱石は対前年41.1%増、原油は同34.9%増、電気機械製品は同6.2%増、集積回路は同11.5%増、ハイテク製品は同9.7%増となった(図表-5)。
また他の輸入品目に着目すると、ドライフルーツ・ナッツ類が対前年18.2%増、穀物が同27.0%増、美容化粧品・洗濯用品が同3.5%増であった。電気機械製品の内訳を見ると、世界的な供給不足に陥っている半導体(ダイオード含む)が対前年12.3%増、集積回路が同11.5%増、医療用機器が同18.9%増であったのに対し、半導体不足の影響を受けた液晶ディスプレイは同5.4%減、自動車(シャーシ含む)は同10.6%減となった。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年10月13日「経済・金融フラッシュ」)
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助川 啓太
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