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2021年11月05日
4.議事要旨の概要
記者会見の冒頭説明原稿および議事要旨の概要(上記金融政策の方針で触れられていない部分)において注目した内容(趣旨)は以下の通り3。
3 適宜、報告書の内容も記載。
(金融政策決定)
(経済見通し)
(通貨金融情勢)
(需要と生産)
(当面の政策決定)
(運用上の考慮事項)
3 適宜、報告書の内容も記載。
(金融政策決定)
- 要約すると、見通しにある通り今期の高インフレは一時的である
- 加えて、金融政策では、供給問題を解決することはできない
- しかしながら、インフレ率を目標に戻し、中期のインフレ期待を支えるには、政策金利の引き上げが求められる可能性が高い
- しかし、経済の余剰(slack)を拡大させ、インフレ率を目標以下にまで押し下げるほどの引き上げという見解には警告したい
- 短期的には労働市場の動向が、引き上げの規模とペースを決める上で重要となる
- 我々は雇用維持政策終了後の労働市場に関する必要な統計データをまだ得られておらず、十分な評価ができていない
- 変更は今後数か月で実施される公算が高い
(経済見通し)
- GDP成長率見通しは、2021年7%、22年5%、23年1.5%、24年1%
(8月時点では21年7.25%、22年6%、23年1.5%)- 失業率は21年4.25%、22年4%、23年4.25%、24年4.25%(10-12月期)
(8月時点では、21年4.75%、22年4.25%、23年4.25%) - CPI上昇率は21年4.25%、22年3.5%、23年2.25%、24年2%(10-12月期の前年比)
(8月時点では21年4%、22年2.5%、23年2%)
- 失業率は21年4.25%、22年4%、23年4.25%、24年4.25%(10-12月期)
(通貨金融情勢)
- 前回の委員会以降、英国および世界の金融市場には大きな動きが見られた
- 一部は、供給制約やエネルギー価格の上昇が、市場参加者の世界的なインフレ率や成長率、金融政策による対応についての見通しに及ぼした影響を反映していると見られる
- 先進国の長期国債利回りは、前回9月のMPC以降、20-30ベーシスポイントほど上昇し、名目金利のうち、ブレークイーブンインフレ率(inflation compensation)要素が上昇している
- 英国の10年債利回りは夏以降の低下のほとんどを戻し、コロナ禍直前の水準を上回っている
- 前回の委員会以降、短期のブレークイーブンインフレ率は、英国を含む多くの先進国で急上昇した
- CPIインフレ率の急上昇、エネルギー価格と供給制約の動向を反映したものと見られる
- 先進国の中期のブレークイーブンインフレ率も、前回の委員会以降、急上昇を続けた
- 米国とユーロ圏ではこれらは過去10年の平均水準と同じだった
- 英国の中期のブレークイーブンインフレ率は2008年以降の平均を上回っている
- 英国で中期のブレークイーブンインフレ率が上昇していることの解釈は容易ではない
- 英国のインフレ市場は年金債務のヘッジに利用されているが、インフレ期待やインフレリスクの変化を通じてブレークイーブンインフレ率を押し上げている可能性がある
- CPIとRPI(小売物価指数)の相違が、RPIインフレ率とCPIインフレ期待という境界をさらに複雑にしている
- 期待インフレ率とインフレリスク認識の高まりが、中期のブレークイーブンインフレ率を平均以上に押し上げていると見られる
- 英国では9月の委員会以降、政策金利の先行きに対する市場予想が急上昇しており、これは市場参加者のインフレ圧力の上昇懸念や、最近のMPCによる政策に関するコミュニケーションを反映しているとみられる
- ほとんどの市場関係者は、年末までに委員会が政策金利を0.25%引き上げると見ている
- 市場関係者は、流動性の低下によって政策金利の期待に関する中央見通しを推測することが困難になったと指摘した
(需要と生産)
- 広範な事業において原材料と労働力の不足が、生産の重しとなっており、一部の事業では、この供給問題が少なくとも2022年後半まで続くことが報告されている
- 最新のONSの事業環境調査(Business Insights and Conditions Survey)では、売買の11%を占める生産もしくは供給網がガス価格上昇を受けたとしている
- 供給制約が継続しており、およそ3分の2のCBI産業動向調査(Industrial Trends survey)の回答者が原材料や部品不足が今後3か月の生産を抑制するとし、40%の回答者が熟練労働者の不足を指摘しており、いずれも1970年以降で最高の水準にある
- 高頻度指標は消費支出が夏以降も回復したが、8月の報告書よりも緩やかなペースであることを示している
- 当初の落ち込みが大きかった、公共交通機関での移動、フライト数、映画館訪問者数では回復が認められた
- 実質小売売上高は5月をピークに9月まで5か月連続で低下しているものの、19年10-12月期の平均水準は4%ほど上回っている
- この現象は財への支出からサービスへの支出に移行していることを一部反映しており、こうしたコロナ禍前のパターンへの収束する傾向は続くと見られる
- また、一部では、供給不足によって財支出が落ち込んでいるとの報告もあり、電気機器や家具、新車販売で特に販売機会が失われている
- 9月後半にはガソリンの供給断絶の可能性が認識されたことで、一時的に支出が急増、その後追加の供給が実施されるまで、不足が続いたため、支出も低迷した
- 家計の景況感はここ数週間で低下しており、他国よりも低下が大きい
- 最近の景況感は、過去と異なり健康以外の要因を反映しているように思われる
- ONSの意見と生活様式調査(Options and Lifestyle Survey)では、10月前半に新型コロナに関する不安を5分の2の回答者が抱えていたが、その割合は低下した
- 消費者の景況感低下は、最近のガソリン不足や足もとや将来の実質所得の見方の変化を反映している可能性がある
- エネルギー価格の上昇を受けた最近のインフレ率上昇に加えて、一部の家計はコロナ禍期間中の財政支援策の縮小、例えばユニバーサルクレジット受給者に対する週20ポンドの上乗せの9月末での終了、といった影響を受けている
- 9月に実施されたイングランド銀行とNMGによる家計調査では、今後3か月の家計支出は全体では増加する見込みであったが、相対的に低所得世帯では支出の減少が見込まれている
- また、年末もしくは22年中盤までに支出をコロナ禍前の水準に戻すとした世帯の割合も減少した
(当面の政策決定)
- 11月の報告書では、最新の経済の供給面における詳細が報告されており、委員会は予測期間の終わりまでに潜在供給量が8月の見通しよりも1%ほど低下すると予想した
- これは人口動態が潜在的な労働参加率や労働時間に及ぼす影響、また設備投資の弱さにより資本の伸びが抑制され全要素生産性を押し下げるといった評価が反映されている
- 総じて11月の報告書のボックスCで述べられているように、MPCはインフレ期待が現在のところ固定されていると判断している
- しかしながら、委員会は国内・世界の価格上昇圧力が中期的なインフレ期待に影響を及ぼし、それがまた賃金、物価に波及するリスクを注視する
- 委員会の最善かつ共同判断は11月の報告書の見通しにおける中期的なリスクは概ね均衡しているとするものである
- しかし、これはエネルギー価格や賃金の動向を含めた、双方のリスク隠している
- MPCのメンバーによってこれらのリスクの重みづけも異なり、全体のリスクバランスの見方も異なる
- 11月見通しでは賃金上昇率に対するリスクは上方に傾いていると判断した
- 従業員が実質賃金の低下に抵抗すれば、所得伸び率は現在のインフレ率やインフレ期待の影響もあり、予測期間にわたって押し上げられる可能性がある
- 次のことも賃金伸び率の予想以上の上昇圧力となり得る:例えば労働参加率や移民の低下といった労働力の利用可能性の低下、保健・教育・行政部門における持続的な需要増、産業内、あるいは産業間における労働市場のミスマッチの長期化
(運用上の考慮事項)
- 9月の委員会で、MPCは資産購入策で保有するポンド建ての非金融機関の投資適格級社債に関連するキャッシュフローついて、11月から適格社債に再投資することに合意した
- その後、委員会は債券発行体の気候変動への影響を考慮しこれらの投資を行う方法について説明を受けた
- この方法の詳細は数日中に公表される予定である
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(2021年11月05日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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