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2021年10月20日
コロナ禍を経て拡大が続くサードプレイスオフィス市場~利用ニーズの高まる郊外エリアは新規開設の余地が残る~
03-3512-1861
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1. はじめに
近年の旺盛なオフィス需要を支えていた要因の1つに、「レンタルオフィス1」や「シェアオフィス2」、「コワーキングスペース3」等のサードプレイスオフィスの増加が挙げられる。企業は、「働き方改革」の一環として、従業員の働きやすい職場環境を提供しワークライフバランスの向上を図るため、サードプレイスオフィスの利用を拡大していた。
新型コロナウィルス感染拡大後は、通勤時間の削減や、執務環境が整っておらず自宅でのテレワークが困難等の理由から、自宅近くのサードプレイスオフィスを利用する人が増えている。
こうした背景を踏まえ、今後の成長が期待できるサードプレイスオフィス事業への新規参入が相次いでいる。図表-1は、サードプレイスオフィス事業への新規参入事例をピックアップしたものである。近年では、不動産業以外の他業種からの進出が目立つ。2019年に「東京電力」が、2020年に紳士服販売の「青山商事」、2021年に情報サービス業の「サイバーエージェント」等が、サードプレイスオフィス事業に参入した。
新型コロナウィルス感染拡大後は、通勤時間の削減や、執務環境が整っておらず自宅でのテレワークが困難等の理由から、自宅近くのサードプレイスオフィスを利用する人が増えている。
こうした背景を踏まえ、今後の成長が期待できるサードプレイスオフィス事業への新規参入が相次いでいる。図表-1は、サードプレイスオフィス事業への新規参入事例をピックアップしたものである。近年では、不動産業以外の他業種からの進出が目立つ。2019年に「東京電力」が、2020年に紳士服販売の「青山商事」、2021年に情報サービス業の「サイバーエージェント」等が、サードプレイスオフィス事業に参入した。
コロナ禍以降、全国的にオフィス需要が停滞し空室率の上昇が続くなか、オフィス市場におけるサードプレイスオフィスの存在感が一段と高まっている。そこで、本稿では、サードプレイスオフィスの現状について概観した上で、今後、オフィス市場に及ぼす影響について考えたい。
1 会議室などを共用部分に設置して共有し、専用の個室をそれぞれ持つ、いわば合同事務所のようなオフィス形態。
2 フリーアドレスでデスクを共有して利用するオフィス形態。
3 オープンなワークスペースを共用し、各自が自分の仕事をしながらも、自由にコミュニケーションを図ることで情報や知見を共有し、協業パートナーを見つけ、互いに貢献しあう「ワーキング・コミュニティ」の概念およびそのスペース(コワーキング協同組合による定義)。
1 会議室などを共用部分に設置して共有し、専用の個室をそれぞれ持つ、いわば合同事務所のようなオフィス形態。
2 フリーアドレスでデスクを共有して利用するオフィス形態。
3 オープンなワークスペースを共用し、各自が自分の仕事をしながらも、自由にコミュニケーションを図ることで情報や知見を共有し、協業パートナーを見つけ、互いに貢献しあう「ワーキング・コミュニティ」の概念およびそのスペース(コワーキング協同組合による定義)。
2. 首都圏におけるサードプレイスオフィスの現況
(2)サードプレイスオフィスが入居しているオフィスビルの属性
サードプレイスオフィスが入居するオフィスビルを規模別(延床面積)4に確認すると、小型ビルが33%、中型ビルが32%となり、中小型ビルで全体の約3分の2を占めた(図表-3左図)。また、エリア別にみると、「東京都心5区5」においても中小型ビルの割合(63%)が高い一方で、超大型ビルの割合が15%となり一定数の拠点が開設されている6。
次に、入居ビルの築年数を確認すると、「30年以上40年未満」(28%)が最も多く、次いで「20年以上30年未満」(21%)となり、「5年未満」の割合は15%にとどまる。また、「東京都心5区」では「40年以上(旧耐震基準)」の築古ビルが約4分の1を占める(図表-3右図)。
超大型の新築ビルにサードプレイスオフィスの拠点を開設する事例が多く報じられているが、実際には築年数が経過した小型ビルを拠点とするケースも多いようだ。
サードプレイスオフィスが入居するオフィスビルを規模別(延床面積)4に確認すると、小型ビルが33%、中型ビルが32%となり、中小型ビルで全体の約3分の2を占めた(図表-3左図)。また、エリア別にみると、「東京都心5区5」においても中小型ビルの割合(63%)が高い一方で、超大型ビルの割合が15%となり一定数の拠点が開設されている6。
次に、入居ビルの築年数を確認すると、「30年以上40年未満」(28%)が最も多く、次いで「20年以上30年未満」(21%)となり、「5年未満」の割合は15%にとどまる。また、「東京都心5区」では「40年以上(旧耐震基準)」の築古ビルが約4分の1を占める(図表-3右図)。
超大型の新築ビルにサードプレイスオフィスの拠点を開設する事例が多く報じられているが、実際には築年数が経過した小型ビルを拠点とするケースも多いようだ。
4 小型ビル;延床面積1,000m2未満、中型ビル;延床面積1,000m2以上5,000m2未満、大型ビル;延床面積5,000m2以上30,000m2未満、超大型ビル;延床面積30,000m2以上
5 「東京都心5区」(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)、「郊外」(東京周辺18区、神奈川県、埼玉県、千葉県)
6 三井不動産「ワークスタイリング東京ミッドタウン日比谷」、WeWork「WeWork渋谷スクランブルスクエア」、等。
また、月額利用料金(最安料金)について確認すると、「1万円以上2万円未満」(43%)が最も多く、次いで「2万円以上3万円未満」(19%)となっている。エリア別では、「東京都心5区」は高額料金帯「4万円以上」(19%)が約2割を占める一方で、「郊外」は、低額料金帯「1万円未満」(24%)が約4分の1を占める(図表-5)。
国土交通省「テレワーク人口実態調査」によれば、「共同利用型オフィス等の希望利用料金」は、「自己負担が必要なら利用しない(39%)」との回答が最も多く、「月額1,000円未満(21%)」、「月額1,000~4,999円(20%)」の回答も多い(図表-6)。そのため、オフィスワーカーによる利用は、現状、法人契約や企業からの補助金の活用が中心と考えられる。
国土交通省「テレワーク人口実態調査」によれば、「共同利用型オフィス等の希望利用料金」は、「自己負担が必要なら利用しない(39%)」との回答が最も多く、「月額1,000円未満(21%)」、「月額1,000~4,999円(20%)」の回答も多い(図表-6)。そのため、オフィスワーカーによる利用は、現状、法人契約や企業からの補助金の活用が中心と考えられる。
サードプレイスオフィスは、利用者が月極契約によりスペースを日常的に利用するサービスのほか、1日または時間単位で利用料を支払い、一時利用するサービス(「ドロップイン」)7がある。ザイマックス不動産総合研究所「働き方とワークプレイスに関する首都圏企業調査(2021 年7月)」によれば、サテライトオフィスの利用方針は、「タッチダウン(移動の合間など、短時間利用)で働く場所(67%)」との回答が最も多く、「ドロップイン」サービスの利用ニーズがかなり高いことが窺える(図表-7)。「ドロップイン」サービスを展開している拠点は、「全体」では53%、「東京都心5区」では44%、「郊外」では62%を占める(図表-8)。
7 一般財団法人 大都市政策研究機構 「日本のコワーキングスペースの現状と展開」調査研究レポート、2019年12月23日
(2021年10月20日「不動産投資レポート」)
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