- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- 「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2021年9月時点)
「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2021年9月時点)
金融研究部 主任研究員 吉田 資
- 東京都心部Aクラスビルの空室率は、景気悪化やテレワークの普及など先行き不透明感が広がるなか、上昇が続いている。一方、成約賃料は、昨年の大幅下落を経て、概ね横這いで推移している。本稿では、東京都心部Aクラスビル市場の動向を概観した上で、2025年までの賃料と空室率の予測を行った。
- 新型コロナウィルスの感染拡大後も、人手不足の状況が継続しており、東京都心部の「オフィスワーカー数」が大幅に減少する懸念は小さい。しかし、東京都の就業者数(総数)は増えておらず、「学術研究、専門・技術サービス業」や「金融業、保険業」等、オフィスワーカーの比率の高い産業で就業者が減少している。
- また、東京では「在宅勤務」が定着しオフィス出社率が低下するなか、企業にとって「オフィス戦略の見直し」が、重要な経営課題となっている。一部の企業では、オフィス床面積を削減する方針を発表している。
- 「サードプレイスオフィス」についても、企業の利用が増加するなか、需要の一躍を担っていたフリーランスはコロナ禍の影響を受けて厳しい経済環境に直面にしている。
- 以上のことを鑑みると、オフィス需要は力強さを欠き、空室率は緩やかな上昇が続くと見込む。
- 成約賃料は、空室率の上昇を受けて緩やかな下落基調で推移すると見込む。2020 年の賃料を100 とした場合、2021 年は「100」、2022年は「98」、2025 年は「92」への下落を予測する。
■目次
1. はじめに
2. 東京都心Aクラスオフィス市場の現況
2-1. 空室率および賃料の動向
2-2. オフィス市場の需給動向
2-3. 「オフィスワーカー数」・「在宅勤務」・「サードプレイスオフィス」の動向から、
今後のオフィス需要を考える
3. 東京都心部Aクラスビル市場の見通し
3-1. Aクラスビルの新規供給見通し
3-2. Aクラスビルの空室率および成約賃料の見通し
(2021年09月17日「不動産投資レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
吉田 資のレポート
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月17日
トランプ2.0とEU-促されるのはEUの分裂か結束か?- -
2025年01月17日
分権から四半世紀、自治体は医療・介護の改正に対応できるか-財政難、人材不足で漂う疲弊感、人口減に伴う機能低下にも懸念 -
2025年01月17日
可処分所得を下押しする家計負担の増加~インフレ下で求められるブラケットクリープへの対応~ -
2025年01月16日
iDeCo(個人型確定拠出年金)を有効活用する方法と注意点-拠出限度額引き上げで税制優遇の恩恵も大きく -
2025年01月16日
ロシアの物価状況(24年12月)-前年比伸び率は9%台半ばまで上昇
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2021年9月時点)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2021年9月時点)のレポート Topへ