2021年07月28日

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■要旨
 
  • コロナ禍以降、景気悪化やテレワーク普及などを受けて、全国的にオフィス需要が停滞し空室率の上昇が続くなか、札幌市では、IT関連企業やコールセンター企業による新規拠点開設がオフィス需要を下支えしている。空室率は、全国主要都市の中で最も低い水準となり、成約賃料は主要都市の中で最も大きく上昇した。本稿では、札幌のオフィスの現況を概観した上で、2025年までの賃料予測を行った。
     
  • 札幌市では、コロナ禍が「企業の経営環境」および「雇用環境」に与えたダメージは全国平均と比べて限定的であった。一方、生産年齢人口は、今後も減少基調で推移する見通しであり、「在宅勤務」の導入企業も増えつつある。以上のことを鑑みると、札幌市のオフィスワーカー数が大幅に増加する可能性は低いと考えられる。
     
  • また、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けて、企業の業績は急速に悪化しており、札幌のオフィス需要を支えてきたコールセンターやIT関連企業が、これまで通りオフィス需要を牽引することは難しいと考えられる。
     
  • 一方、複数の大規模開発が進行中であり、新規供給量は、2023年には17年ぶりに1万坪を超える等、増加する見通しである。以上を鑑みると、札幌の空室率は上昇傾向で推移すると予測する。
     
  • 札幌市の成約賃料は、ファンドバブル期のピーク水準(2007年)を上回る高値圏にあり、2020年は前年から大きく増加した(前年比+10%)。今後は、空室率の上昇に伴い、下落基調に転じる見通しである。2020 年の賃料を100 とした場合、2021 年の賃料は「99」に、2025 年は「92」へと下落すると予想する。


■目次

1. はじめに
2. 札幌オフィス市場の現況
  2-1. 空室率および賃料の動向
  2-2. オフィス市場の需給動向
  2-3. 空室率と募集賃料のエリア別動向
3. 札幌オフィス市場の見通し
  3-1. 新規需要の見通し
  3-2. オフィスビルの新規供給見通し
  3-3. 賃料見通し
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金融研究部   主任研究員

吉田 資 (よしだ たすく)

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

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【「札幌オフィス市場」の現況と見通し(2021年)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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