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- 株価の日米格差は縮小へ ワニの口は年内に閉じる
2021年08月02日
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■要旨
株価の日米格差が拡大している。日経平均株価は今年2月に一時3万円を回復した後、軟調な展開が続き7月末までに約10%下落した。一方、米国では主要株価指数が7月も最高値更新を繰り返し、NYダウは史上初となる3万5,000ドルを突破した。
だが、ワクチン接種の遅れなどを理由に“買い手不在”の日本株は、改善傾向が鮮明な企業業績と比べて割安な水準だ。一方、米国株は企業業績とギャップが生じた割高と言わざるを得ない。前例のない大規模な金融緩和が米国株のミニバブルを演出していることからも、今後は緩和縮小議論が高まるにつれて米国株の軟調な展開が想定される。
米国株が急落すれば一時的に日本株も下落を余儀なくされるが、年末までのスパンで考えると日本国内のワクチン接種率の上昇に伴い日本株の出遅れが目立ち、米国株からの退避先としても日本株市場に投資マネーが流入しやすくなるだろう。結果、今春以降に開いたワニの口が閉じる公算が大きい。
◆ポイント
株価の日米格差が拡大している。日経平均株価は今年2月に一時3万円を回復した後、軟調な展開が続き7月末までに約10%下落した。一方、米国では主要株価指数が7月も最高値更新を繰り返し、NYダウは史上初となる3万5,000ドルを突破した。
だが、ワクチン接種の遅れなどを理由に“買い手不在”の日本株は、改善傾向が鮮明な企業業績と比べて割安な水準だ。一方、米国株は企業業績とギャップが生じた割高と言わざるを得ない。前例のない大規模な金融緩和が米国株のミニバブルを演出していることからも、今後は緩和縮小議論が高まるにつれて米国株の軟調な展開が想定される。
米国株が急落すれば一時的に日本株も下落を余儀なくされるが、年末までのスパンで考えると日本国内のワクチン接種率の上昇に伴い日本株の出遅れが目立ち、米国株からの退避先としても日本株市場に投資マネーが流入しやすくなるだろう。結果、今春以降に開いたワニの口が閉じる公算が大きい。
◆ポイント
- 経済回復力、ワクチン接種の遅れで日本株は軟調な展開
- 回復が鮮明な企業業績と比べて日本株は割安、米国株はミニバブル
- 米国の緩和縮小と日本の経済正常化に伴い、株価の日米格差は縮小へ
(2021年08月02日「基礎研レポート」)
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経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
2023年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会認定アナリスト
井出 真吾のレポート
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