2021年06月30日

欧州復興基金の実相(3)-始まった債券発行、早期配分優先で進む審査-

経済研究部 研究理事   伊藤 さゆり

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■要旨
 
  1. 6月15日、復興基金「次世代EU」のための欧州委員会による債券発行が始まった。定期的に大規模な起債を行うEUは、政府関係機関債市場においても、急成長するサステナビリティ・ボンド市場においても、存在感を高めると見られる。
     
  2. 欧州委員会による加盟国の復興計画の審査も進み、これまでに12カ国の適合を認めた。規則により閣僚理事会は、欧州委の提案から1カ月以内に承認することになっており、第1陣への第1回の資金配分は7月中にも行われる見通しとなった。
     
  3. 欧州委の審査は期限よりも短い1カ月半程度で終了し、計画を高く評価した。早期の配分開始を優先した面もあり、閣僚理事会の承認プロセスも大きな波乱なく進展しそうだ。
     
  4. RRFの補助金は低所得国、高失業国、コロナ禍の打撃が大きい国に傾斜配分される。イタリア、ギリシャ、ルーマニアは融資も上限まで利用する野心的計画をまとめたが、ガバナンスの弱さなどから、計画通りに実行できないリスクはある。
     
  5. 復興基金は、成長戦略「欧州グリーンディール」で掲げる「グリーンとデジタルの2つの移行の包摂的な実現」達成のために必要不可欠な枠組みであり、固定化する格差是正への絶好の機会でもある。有効活用のために力を尽くすことが望まれる。
EU加盟国の復興計画の規模
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