- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- 復興基金「次世代EU」でEUの地盤沈下は止まるのか?
2020年10月28日
■要旨
- EUの総額1.8兆ユーロの復興パッケージの承認手続きは遅延しているが、世界的に金融政策は大規模財政出動を支え、信用緩和へと動いており、EU加盟国はEUの安全網も利用可能だ。始動の遅れによってパッケージの意義が大きく損なわれることはない。
- 復興基金の欧州統合史における位置付けは、成果次第の面があり、事後的にしか判断できないが、(1)大規模なEU債発行によるユーロ建て債券市場、サステナブル・ファイナンス市場の強化、(2)EUの独自財源の拡大、(3)格差拡大の抑制、財政緊縮圧力の緩和などを通じて、統合の持続可能性を高める方向に働く。
- 復興基金はコロナ禍という歴史的な非常事態だからこそ実現したものであるが、財政統合への布石となるかは成果次第だ。焦点はガバナンスにあり、主な受益国の南欧、中東欧の底上げに掛かっている。
- 復興基金がGDPで見たEUの世界経済におけるプレゼンス回復につながらなくとも、財政危機や一層の分裂を回避し、経済成長と二酸化炭素排出量の切り離しに一定の成果を挙げ、ポスト・コロナのESG(環境・社会・ガバナンス)重視のトレンドに影響力を発揮できれば、十分成功と言えるだろう。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1832
ソーシャルメディア
新着記事
-
2022年05月27日
2022年4~5月の自社株買い動向~発行済株式総数に対する割合と株価の関係~ -
2022年05月27日
2022年度診療報酬改定を読み解く(下)-医療機能分化、急性期の重点化など提供体制改革を中心に -
2022年05月27日
中国経済の見通し-岐路に立つコロナ政策、22年は4.2%と予想も、下方リスクが燻ぶり、ポジティブ・サプライズもあり得て、目が離せない -
2022年05月26日
欧州大手保険Gの2021年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- -
2022年05月26日
Japan’s Economic Outlook for Fiscal 2022 and 2023 (May 2022)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2022年05月17日
News Release
-
2022年04月21日
News Release
-
2022年04月04日
News Release
【復興基金「次世代EU」でEUの地盤沈下は止まるのか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
復興基金「次世代EU」でEUの地盤沈下は止まるのか?のレポート Topへ