2021年05月19日

2021・2022年度経済見通し(21年5月)

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨
 
<実質成長率:2021年度3.3%、2022年度1.9%を予想>
 
  1. 2021年1-3月期の実質GDPは、緊急事態宣言再発令の影響で民間消費が減少したことなどから、前期比年率▲5.1%と3四半期ぶりのマイナス成長となり、経済正常化に向けた動きは途切れる形となった。
     
  2. 緊急事態宣言はいったん解除されたが、4月下旬に4都府県で3度目の宣言が発令され、その後期限が延長されるとともに対象地域も9都道府県に拡大した。消費は2021年4-6月期も低迷する可能性が高い。
     
  3. 2021年7-9月期は緊急事態宣言の解除を前提として高成長を予想しているが、新型コロナウイルスの感染動向やそれに対応する経済活動の制限によっては、景気が下振れるリスクがある。実質GDP成長率は2021年度が3.3%、2022年度が1.9%と予想する。ソーシャルディスタンスの確保などが引き続き対面型サービス消費を抑制することから、景気回復が続く中でも二極化の解消には至らないだろう。
     
  4. 実質GDPがコロナ前(2019年10-12月期)の水準を回復するのは2022年4-6月期、消費税率引き上げ前の直近のピーク(2019年7-9月期)に戻るのは2023年度と予想する。

 
実質GDP成長率の推移(年度)
■目次

1.2021年1-3月期は前期比年率▲5.1%のマイナス成長
  ・二極化する日本経済
  ・3度目の緊急事態宣言の影響
2. 実質成長率は2021年度3.3%、2022年度1.9%を予想
  ・実質GDPが直近のピークを超えるのは2023年度
  ・高水準の貯蓄が将来の消費を押し上げる可能性も
  ・設備投資は全体としては堅調を維持する見通し
  ・物価の見通し

(2021年05月19日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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