2021年04月30日

2021年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.9%(年率▲3.6%)を予測~

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨
 
  1. 5/18に内閣府から公表される2021年1-3月期の実質GDPは、前期比▲0.9%(前期比年率▲3.6%)と3四半期ぶりのマイナス成長になったと推計される。
     
  2. 緊急事態宣言再発令の影響で対面型サービスを中心に民間消費が前期比▲2.1%の大幅減少となったことがマイナス成長の主因である。設備投資(前期比1.6%)、住宅投資(同1.5%)は緊急事態宣言下でも堅調だったが、消費の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
     
  3. 日本経済は2020年4-6月期に過去最大のマイナス成長となった後、2四半期連続で前期比年率二桁の高成長を記録したが、2021年1-3月期は緊急事態宣言の再発令を受けて再びマイナス成長となり、経済正常化に向けた動きはいったん足踏みとなった。
     
  4. 4/25から4都府県を対象に発令された緊急事態宣言は、経済活動の制限が前回よりも厳しく、一日当たりの下押し圧力は前回の宣言時よりも大きくなるだろう。現時点では、緊急事態宣言の期間が5/11までと短いことから、4-6月期はプラス成長になるとみているが、緊急事態宣言の期間が延長された場合、対象地域や規制の範囲が広がった場合には、2四半期連続のマイナス成長となる可能性が高まるだろう。
実質GDP成長率の推移
■目次

●1-3月期は年率▲3.6%を予測~3四半期ぶりのマイナス成長
●主な需要項目の動向
  ・民間消費~対面型サービスを中心に弱い動き~
  ・住宅投資~2四半期連続の増加~
  ・民間設備投資~2四半期連続の増加~
  ・公的固定資本形成~7四半期ぶりの減少も、増加基調は維持~
  ・外需~3四半期ぶりのマイナス~
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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