- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 医療保険制度 >
- 不妊治療の保険適用拡大に向けた動き
不妊治療の保険適用拡大に向けた動き

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
2020年9月に菅義偉内閣が発足し、少子化対策として不妊治療の保険適用拡大を表明した。保険適用拡大は、2022年度の診療報酬改定に向けて整備することとされ1、それまでの暫定的な措置として、不妊治療のための助成制度を拡充することとなった。今回の拡充では、2回目以降の助成額の増額のほか、所得制限を撤廃したこと、助成回数を生涯で通算6回までから、子ども1人につき6回までとしたこと、事実婚も対象としたことがこれまでと大きく異なる。一方で、妻の年齢制限は、これまでと同じく43歳未満とされている。
NPO法人Fineが実施した「不妊治療と経済的負担に関するアンケート20182」によると、不妊治療をしたことがある人、もしくは不妊を心配したことのある人のうち、助成金を申請したことがない人が半数にのぼった。申請をしたことがない人の最大の理由が「所得制限を超えるから」だったことから、所得制限の撤廃によって助成を受けられる人が増加することが見込まれる。
1 2020年12月14日「全世代型社会保障改革の方針(案)」
2 2018年9月18日~2019年1月31日実施。不妊治療をしたことがある人、もしくは不妊を心配したことのある人を対象としたWEB調査。回答数1,576人(うち不妊治療の経験がある人1,497人)。
■目次
1――不妊治療は、一般的に検討される身近な治療
2――公的医療保険における現在の適用状況
1|不妊治療の種類と現状
2|公的医療保険でのカバー範囲
3――助成制度と保険適用に向けた議論
4――公的医療保険適用拡大に向けた期待と課題
(2021年03月31日「基礎研レポート」)

03-3512-1783
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
村松 容子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 医療DXの現状 | 村松 容子 | 基礎研レポート |
2025/02/26 | がん検診で「要精密検査」でも受診しない理由 | 村松 容子 | 基礎研レター |
2025/02/12 | がん検診で「要精密検査」は何%? | 村松 容子 | 基礎研レター |
2025/01/28 | 保障ニーズを知ることの意義:生命保険 能動的加入者の視点から | 村松 容子 | 保険・年金フォーカス |
新着記事
-
2025年03月24日
若い世代が求めている「出会い方」とは?-20代人口集中が強まる東京都の若者の声を知る -
2025年03月24日
中国:25年1~3月期の成長率予測-前期から減速。目標達成に向け、政策効果でまずまずの出だしに -
2025年03月24日
パワーカップル世帯の動向-2024年で45万世帯に増加、うち7割は子のいるパワーファミリー -
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【不妊治療の保険適用拡大に向けた動き】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
不妊治療の保険適用拡大に向けた動きのレポート Topへ