2020年12月28日

「小さな恋のうた」は誰の唄か-SNS時代の若者の音楽消費文化について考える

生活研究部 研究員 廣瀨 涼

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■要旨

Z世代とそれ以前の世代では、音楽に対する向き合い方も異なる。例えば「ザ・ベストテン」は昭和を代表する歌謡番組として最高視聴率41.9%を記録するなど、当時の音楽トレンドを発信し、大衆文化を生み出す機能を担っていた。平成に入ってからはトレンディードラマのヒットの煽りを受け、JPOPの黄金期が到来し、数多くのヒット曲が誕生した。1975年にはカラーテレビ普及率は9割を超え、テレビが音楽の流行を牽引していった。また、90年代に入るまで1世帯当たりのテレビ保有台数が2台を超えることはなく、家族は1台のテレビをシェアしていたため、音楽番組も家族一緒に視聴されることが普通だった。そのため、幅広い世代で流行歌が認知されていた。しかし、インターネットの登場により音楽は流行から個性の時代へと転換していく。本レポートでは、音楽の視聴方法とボカロネイティブという視点から若者の音楽の消費文化について考察する。

■目次

1――流行歌とテレビ
2――若者の音楽に対する意識調査
3――フリーミアムと著作権の侵害
4――ボカロと歌い手
5――初音ミクと『メルト』と「歌ってみた」
6――『小さな恋のうた』は誰の唄か
7――『夜に駆ける』のヒットと「歌ってみた」の新たな方向性
8――ヒット曲を知らない=「遅れている」の終盤
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生活研究部   研究員

廣瀨 涼 (ひろせ りょう)

研究・専門分野
消費文化、マーケティング、ブランド論、サブカルチャー、テーマパーク、ノスタルジア

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レポート紹介

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