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統計分析を理解しよう:自由度の概念と活用について
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
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自由度とは?
例えば、平均の場合は身長に対する平均(身長の平均)、成績に対する平均(成績の平均)、収入に対する平均(収入の平均)といったように、平均の具体的な内容が示されていることに比べ、自由度は修飾語を付けないまま自由度だけに呼ばれているケースが多い。従って、「計算に対する(計算の)自由度」、「標本分散に対する(標本分散の)自由度」のように何に対する自由度なのかを明確に示すと、自由度に対する理解がより深まると考えられる。
自由度の定義から考える自由度
標本分散、t分布に利用される自由度
上述した通り、独立したn個のデータを用いて、推計値である「標本平均」を求めているので、「標本平均」はnで割るのが適切である。それに対して、標本分散の場合には、式(2)のように平方和(個々のデータと平均値の差を二乗した値の和)を求める式(式(3))に、推計値である標本平均(
)が含まれているので、「自由に決めることができる値の数」が一つ減ることになる。言い換えると、データの各値(
)と標本平均(
)との差である「偏差」の合計は0(式(4))になるので、自由に入れることができる値の数が一つ制約されてしまう。そこで、標本分散を求める際には一般的にnではなくn-1が用いられている。
つまり、標本平均
の分布が、平均が
で、分散が
である正規分布に従う場合(式(5))の母平均の統計的推定は、母分散の値を分かっている時には式(6)のように平均が0、分散が1である標準正規分布を、母分散の値を分かっていない時には、式(7)のように自由度がn-1のt分布を利用すれば良い。
と
だけだからである。式(6)の
は母集団の標準偏差であり、その値は分からない「常数」である。一方、標本の標準偏差である
は、標本を抽出するたびにその値が変わるので「変数」である。つまり、式(6)と式(7)を比較すると、式(6)に比べ、式(7)の方が標本を抽出するたびに変わるので変動が大きいと言える。従って、t分布の曲線は標準正規分布曲線より分布が大きく、横軸に広がっている可能性が高い(図表2)。また、t分布の曲線はサンプルサイズの影響を受ける。つまり、サンプルサイズnが大きくなれば大きくなるほど、t分布は標準正規分布に近くなる。図表2を見ると、自由度が1のt分布曲線より、サンプルサイズ(自由度)が大きい自由度10のt分布の方が分布が小さく、より標準正規分布に近い曲線になっていることが分かる。
本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年12月15日「研究員の眼」)
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