2020年12月04日

「ぴえん」とは何だったのか

生活研究部 研究員 廣瀨 涼

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■要旨

『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2020」』選考発表会が11月30日、都内で行われ、大賞には「ぴえん」が選出された。「ぴえん」とは2018年から使われるようになった擬態語で、泣いている様子を現す若者の言葉の一つである。2019年にはAMFの「JC・JK流行語大賞2019」コトバ部門の1位、TWIN PLANETの「2019年ギャル流行語大賞」の2位、2020年にはInstagramメディア「Petrel(ペトレル)」の「2020年上半期インスタ流行語大賞」流行語部門の1位に選ばれるなど、若者を中心に広く使われている。筆者は過去のレポートで若者言葉は、「語感の良さ(ノリの良さ)」と「曖昧さ」が関係すると述べたが、「ぴえん」は当にその典型的な例であり、若者は「ぴえん」という音の響きを楽しむ一方で、その一言が持つ言葉の意味をその都度汲み取っているのである。本レポートでは、「ぴえん」が流行した要因を、筆者の専門である消費文化の側面から考察する。

■目次

1――はじめに
2――泣きの擬態語(オノマトペ)
3――「ぴえん顔」の登場と若者言葉としての「ぴえん」
4――ぴえんから分離された「ぴえん顔」
5――「ぴえんのうた」と「ちゃちゃまる」
6――「ぴえん」を使う理由
7――ぴえんの今
8――おわりに
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生活研究部   研究員

廣瀨 涼 (ひろせ りょう)

研究・専門分野
消費文化、マーケティング、ブランド論、サブカルチャー、テーマパーク、ノスタルジア

経歴
  • 【経歴】
    2019年 大学院博士課程を経て、
         ニッセイ基礎研究所入社

    ・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

    【加入団体等】
    ・経済社会学会
    ・コンテンツ文化史学会
    ・余暇ツーリズム学会
    ・コンテンツ教育学会
    ・総合観光学会

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【「ぴえん」とは何だったのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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