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GoToトラベル・イートの利用意向
第2回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査
生活研究部 主任研究員 久我 尚子
- ニッセイ基礎研究所が9月末に実施した調査によると、GoToトラベルを「利用した/予約済み」の割合は15.2%、イートは1.4%にとどまるが、これに「具体的に検討中」や「今後、検討予定」をあわせた『利用意向あり』層は、トラベルは47.2%、イートは50.8%を占める。
- 利用していない理由で最も多いのは、どちらも「国内の感染がまだおさまっていないため」である。トラベルでは、次いで「旅行・外食をする予定がないため」であり、、感染の収束が見えずに不安があるために、そもそも旅行を計画していない、ようだ。
- イートを利用していない理由で2番目に多いのは「キャンペーンの内容が分かりにくいため」だ。これは仕組みというよりも、内容の周知状況によるものだろう。トラベルは夏の感染再拡大時に開始されたため、注目度が高く、消費者がメディア等で具体的な内容を知る機会も多かったが、イートはそのような機会も少ないのではないか。
- 「今後、検討予定」・「利用するつもりはない」と回答する利用消極層のうち、過半数は感染状況が改善すれば利用意向はある。また、感染が収束せずとも、今より落ち着けば利用意向がある層はトラベルよりイートの方が多い。飲食は、身近な場所で、短時間で楽しむことができるため、コロナ禍でも利用しやすいということだろう。
- 感染状況に関わらず「利用したいと思わない」と回答する超消極層は、世帯年収400万円未満が約半数を占める。一方、利用積極層は高所得層や、公務員や正社員・正職員、未婚の若者、子のいないシニア・ミドル層など時間や経済的な余裕のある層、また、感染に関わる不安が弱く、感染状況の収束や経済回復の見通しの明るい層が多い。
- 10月からGoToトラベルの対象地域に東京も加わった。短期間での観光業の劇的な回復は難しいだろうが、コロナ禍での消費者の経験値の高まりと企業の創意工夫に期待したい。一方、雇止めなども生じている低所得層に対しては別途、生活支援策が必要だ。各自の事情に合わせた手厚い支援策が継続的に求められる。
■目次
1――はじめに
~政府の消費喚起策「GoToキャンペーン」、7月からトラベル、9月からイートが順次開始
2――GoToトラベル・イートの利用状況
~9月末の時点ではトラベルは15.2%、イートは1.4%
3――GoToトラベル・イートを利用していない理由
~「感染がおさまっていない」、イートは「分かりにくい」も
4――利用消極層はどうなれば利用するか
~感染状況の改善、今より落ち着けばイートは4割が利用
5――超消極層の特徴
~世帯年収400万円未満が多いほか、何事にも反応の薄い層が多い
6――GoToトラベル利用積極層の特徴
~お金や時間に余裕のある層、不安が弱く、見通しが明るい層
7――おわりに
~GoTo東京追加でも観光業の劇的な回復は難しいが、企業の創意工夫に期待

03-3512-1878
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