- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- ジェロントロジー(高齢社会総合研究) >
- 資産寿命 >
- 資産寿命を延ばすために気を付けるべきことは何ですか?
資産寿命を延ばすために気を付けるべきことは何ですか?

金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・サステナビリティ投資推進室兼任 高岡 和佳子
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
Q1.退職後も資産を運用しつつ、定期的に一定額の取り崩しを考えていますが、注意すべき点はありますか?
また、長期的にも目標収益率を達成できない可能性もあるため、資金計画の策定にあたり、過度に高い収益率を想定すべきではありません。
Q2.長期的な収益率が想定通りであっても、比較的早い段階で市況が悪化し基準価格が低い時期が続いてしまうと、資産寿命が延長しないのであれば、退職後の前半(15年程度)に市況が悪化する可能性があるなら、資産運用するべきではないということですか?
長期的な収益率が想定通りであっても、比較的早い段階で市況が悪化し、投資信託の基準価格が低い時期が続いてしまうと、資産寿命が延長しないのは、基準価格が低い時期に投資信託を売却することが原因です。基準価格が低い時期の売却を避ければ、資産寿命の延長は期待できます。しかし、基準価格が低い時期も、生活する為には毎年一定額の資金は必要です。そのため、基準価格が低い時期における投資信託の売却を避けつつ、毎年一定額の資金取り崩しを確保する仕組みが重要です。
例えば、投資信託に保有資産の全てを投じるのではなく、保有資産の半分に止めて残りを現預金など資産価格変動リスクの無い資産で保有し、目標収益率に照らし資産価格が低い時期は現預金から引き出し、資産価格が高い時期のみ投資信託を売却するといった方法が考えられます。目標収益率2.5%の投資信託に保有資産の半分しか投じないのに、毎年60万円引き出すという資金計画には無理があります。そこで、基準価格上昇時も下落時も収益率が2倍(目標収益率5.0%)の投資信託を購入し、上述の仕組みを実践した場合の資産残高の推移を図表3(緑)に示します。基準価格が低い70歳~79歳頃は、現預金から引き出し、投資信託は売却しません。このため、80歳以降の市況が好転時の恩恵を受け、資産は92歳まで枯渇しません。
※ その他ジェロントロジー関連のレポートはこちらからご確認下さい。
https://www.nli-research.co.jp/report_category/tag_category_id=15?site=nli
(2020年10月07日「ジェロントロジーレポート」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
高岡 和佳子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/03 | 税制改正でふるさと納税額はどうなる? | 高岡 和佳子 | 研究員の眼 |
2025/02/26 | ふるさと納税、確定申告のススメ-今や、確定申告の方が便利かもしれない4つの理由 | 高岡 和佳子 | 研究員の眼 |
2025/02/18 | ふるさと納税、事務負荷の問題-ワンストップ特例利用増加で浮上する課題 | 高岡 和佳子 | 研究員の眼 |
2025/02/03 | 老後の生活資金に影響?-DC一時金に適用される「5年ルール」見直しの背景 | 高岡 和佳子 | 基礎研レター |
新着記事
-
2025年04月25日
世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか- -
2025年04月25日
年金や貯蓄性保険の可能性を引き出す方策の推進(欧州)-貯蓄投資同盟の構想とEIOPA会長の講演録などから -
2025年04月25日
「ほめ曜日」×ご褒美消費-消費の交差点(9) -
2025年04月25日
欧州大手保険グループの2024年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- -
2025年04月25日
若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(2)-「行動科学」で考える、パーパスと従業員の自発行動のつなぎ方
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【資産寿命を延ばすために気を付けるべきことは何ですか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
資産寿命を延ばすために気を付けるべきことは何ですか?のレポート Topへ