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世界各国の金融政策・市場動向(2020年9月)-「フィンセン文書」をきっかけに、ドル高が進む
経済研究部 主任研究員 高山 武士
1.概要:9月後半にドル高が一気に進む
1 本稿では金融政策はG20について確認する。また、株価・為替についてはMSCI ACWIの指数を構成する49か国・地域について確認する。中国と記載した場合は中国本土を指し香港は除く。また、香港等の地域も含めて「国」と記載する。
2.金融政策:トルコでは利上げへ
先進国では、オーストラリア準備銀行がTFF(資金調達ファシリティ)の延長と、総枠の拡大を実施した。コロナ禍が収束していないなかで、既存の資金繰り支援策を延長した形となる。
新興国ではメキシコ銀行が政策金利を引き下げ、トルコ中央銀行は政策金利を引き上げた。メキシコではややインフレ率が上昇しているが需給ギャップが拡大した状況が続き、世界的に物価が低下していることもあり、利下げ余地があると判断した形になる。一方、トルコは需要が低下しているなかでも予想以上にインフレ率が高まっているとして、利上げに踏み切った。特にトルコの場合は通貨安が急激に進んでいたことが、中銀にとっての懸念材料だったと見られる。政府が低金利を志向していたこともあり8月は政策金利を据え置いたが、9月は政権の意向には反するが、通貨安を看過できず利上げを断行したことなる。
なお、米国FRBは金融政策の方針に変更はなかったが、8月に「長期目標と金融政策戦略」を見直したこと受けて、声明文のフォワードガイダンスで物価について「平均的に2%の達成」を目指す旨を明記した。
3. 金融市場:「フィンセン文書」をきっかけに、ドル高が進む
2 名目実効為替レートは9月28日の前月末比で算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年10月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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