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新型コロナで住宅市場は更に減速、ホテル・商業は厳しさを増す-不動産クォータリー・レビュー2020年第2四半期
基礎研REPORT(冊子版)9月号[vol.282]

金融研究部 准主任研究員 渡邊 布味子
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1―経済動向と住宅市場
2―地価動向
3―不動産サブセクターの動向
三鬼商事によると、6月の都心5区空室率は4カ月連続上昇の1.97%(前月比+0.33%)となり、水準自体は低いものの上昇傾向が強まっている。一方、平均募集賃料(月坪)は78カ月連続で前月比プラスの22,880円(前年同月比+6.3%)となり、前回のピーク水準(08年8月)に迫る動きとなった。
三幸エステート公表の「オフィスレント・インデックス」によると、2020年第2四半期の東京都心部Aクラスビル賃料(月坪)は38,871円( 前期比+0.3%)となった。Aクラスビルの空室率が7期連続で1%を下回るなか、賃料は4万円目前での天井感が続いている[図表5]。
ニッセイ基礎研究所は、東京都心部Aクラスビルの成約賃料は2020 年末に3.7 万円台、2024年末に3.6万円台へ下落すると予測する。
東京23区のマンション賃料は引き続き上昇している。三井住友トラスト基礎研究所・アットホームによると、2020年第1四半期は前年比でシングルタイプが+4.1%、コンパクトタイプが+3.5%、ファミリータイプが+6.0%上昇した。また、LMCによると、都心5区の平均募集賃料(6月末、前年比)は全ての区で上昇し、なかでも渋谷区の上昇が顕著となっている。
不動産売買市場では、コロナ禍により売買交渉が停滞しており、第2四半期としては2011年の東日本大震災直後に次いで小さい金額となった。一方で、ジョーンズラングラサール社の調査によると、67%の投資家が「価格調整があれば新規投資を積極的に行う」と回答するなど、コロナ禍後も投資家の物件取得意欲は衰えていない模様である。今後は新型コロナに対する政策対応や景気回復のスピード、オフィス需要の動向、金融機関の貸出姿勢、リスクマネーの動向などについて注視が必要である。
(2020年09月08日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1853
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
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