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- 新型コロナで増えた消費、減った消費(家計調査4月分より)-消えた外出型消費、テレワーク需要増、自家用車・自転車で代替
2020年06月10日
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■要旨
■目次
1――はじめに~5月の消費者心理は4月より上昇、一旦底が見えたか
2――新型コロナによる消費の明暗
~消えた外出型消費、テレワーク需要増、自家用車・自転車で代替
1|減少した支出項目~旅行や航空、鉄道、外食などの外出型消費は9割減
2|増加した支出項目
~テレワーク需要一層色濃く、衛生用品の再流通、自家用車・自転車で代替
3――6月以降の消費行動
~じわり外出型消費が増えても低迷は続く、新たな需要や価値観変化の把握を
- 総務省「家計調査」によると、2020年4月の二人以上世帯の消費支出は前年同月比で実質11.1%減少した。内訳を見ると、4月は緊急事態宣言が発令されたことで、3月と比べて一層、外出型消費が減り、ほぼ消えたと言っても過言ではない状況だ。
- 巣ごもり需要は引き続き堅調だ。特にテレワーク関連需要が3月より色濃くあらわれている。パソコンやネット接続料の支出が一層増え、パスタや即席麺、電子レンジの支出も増えるなど、テレワーク中の手軽なランチ需要もうかがえる。チューハイ・カクテルや生鮮肉の支出も一層増え、家の中での食事を充実させる傾向もある。
- 鉄道や航空運賃などの交通関連の支出は大幅に減ったが、自動車や自転車の購入が増えており、近場の移動などの代替手段となっているようだ。現在、徐々に通勤や外出が再開されているが、未だウイルスの脅威は去っていない。一定層は引き続き、公共交通機関から自家用車や自転車の利用へとシフトすることが予想される。
- 6月以降は、経済活動の再開に伴い、外食や交通などの外出型消費がやや増える可能性がある。しかし、ワクチンなどの科学的な解決方法が登場しない限り、外出型消費は元に戻らずに、消費全体として低迷が続くだろう。また、今後は家計収入の減少や先行き不安から、必需性の高い消費以外は控える消費抑制傾向が強まる懸念もある。
- 一方で、暮らしが激変したことで消費構造や生活時間の構造も変わり、新たな需要が見込める領域もあるだろう。今、企業活動に求められることは、消費者の価値観や需要変化を丁寧に捉え、ビジネスのデジタル化を加速させることだ。
■目次
1――はじめに~5月の消費者心理は4月より上昇、一旦底が見えたか
2――新型コロナによる消費の明暗
~消えた外出型消費、テレワーク需要増、自家用車・自転車で代替
1|減少した支出項目~旅行や航空、鉄道、外食などの外出型消費は9割減
2|増加した支出項目
~テレワーク需要一層色濃く、衛生用品の再流通、自家用車・自転車で代替
3――6月以降の消費行動
~じわり外出型消費が増えても低迷は続く、新たな需要や価値観変化の把握を
(2020年06月10日「基礎研レター」)
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経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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2025/04/22 | 家計消費の動向(二人以上世帯:~2025年2月)-物価高の中で模索される生活防衛と暮らしの充足 | 久我 尚子 | 基礎研レポート |
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