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新型コロナで変わる生活時間、消費構造にも影響-浮いた移動時間を何に使うのか
生活研究部 上席研究員 久我 尚子
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1――新型コロナによる消費構造の変化~外出型消費の激減、巣ごもり消費活発化、デジタル消費加速
今月、多くの地域で緊急事態宣言が解除されたが、ウィルスとの戦いは依然として続いている。これから少しずつ外出型消費が増えるのだろうが、しばらくは様子見の状況が続くだろう。ワクチンの開発など科学的な解決方法が確立されなければ、巣ごもり型を軸とした消費行動が続き、消費構造がビフォーコロナの状況に戻ることはないだろう。
また、そもそも消費構造のデジタル化は、新型コロナがなくとも、近年、見られてきた動きだ。今回の事態で一気に加速したが、極端にデジタル志向の弱い層や休校中の子どものためのサービス契約といった期間限定的な需要を除けば、デジタル化は加速した状況が維持されるだろう。
1 久我尚子「アフターコロナの消費者像」ニッセイ基礎研究所、研究員の眼(2020/4/20)や「新型コロナで増えた消費、減った消費」基礎研レター(2020/5/13)、「新型コロナによる家計消費の変化」基礎研レター(2020/5/20)など。
2――新型コロナによって生活時間構造も変化~消費構造や企業のビジネス機会にも影響
ところで、厚生労働省「平成28年社会生活基礎調査」にて、働く人の生活時間を見ると、通勤時間などの移動時間に平日1日あたり平均85分を費やしている(図1)。
アフターコロナでは、これまで週5日出社していたところを、例えば、週3日出社・週2日在宅勤務となれば、週170分の移動時間が浮くことになる。つまり、アフターコロナで働き方が変わることで、週に約3時間の自由時間が増えるとすれば、それはどのような行動に費やされるのだろうか。
消費行動が変われば、企業にとってのビジネス機会も変わる。デジタルかリアルか、家の中か外かという二者択一だけではなく、融合した形でのサービス提供も考えれば可能性は広がる。
今後、消費者の浮いた時間をいかに獲得できるかが企業の生き残りにもつながるのかもしれない。
2 「暮らしに関する調査」、調査対象は全国に住む20~59 歳の男女、インターネット調査、株式会社マクロミルのモニターを利用、有効回答6,183、うち本稿の分析対象(外出自粛した有業者)は2,798。
3 調査実施の3月上旬は、未知のウィルスへの不安が急速に広がり始めた頃、かつ緊急事態宣言発令前で外出自粛レベルも異なるため、現在と比べて、情報収集ニーズの強さからテレビの視聴やネットサーフィンに費やす傾向が強く、出前などのデリバリーサービスの利用に費やす傾向が弱い可能性もある。
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03-3512-1878
(2020年05月25日「研究員の眼」)
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