2020年06月04日

インド経済の見通し~4-6月期は全土封鎖の影響が本格化、封鎖解除後も経済正常化が遅れて20年度はマイナス成長へ(2020年度▲1.5%、2021年度+7.7%)

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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■要旨
 
  • インド経済は1-3月期の成長率が+3.1%となり、10-12月期の同4.1%から大幅に減速した。
     
  • 1-3月期は昨年から続く景気減速に、インド政府が3月最終週に実施した全土封鎖の影響が追い打ちとなり民間消費と投資需要が悪化した。一方、政府支出や農業生産の回復が景気の下支え役となり、成長率は市場予想を上回る結果となった。
     
  • 4-6月期は全土封鎖の影響が本格化して二桁のマイナス成長に沈み、その後は段階的な封鎖解除により景気は持ち直しへ向かうが、20年度の成長率は▲1.5%(41年ぶりのマイナス成長)となるだろう。21年度は経済正常化と前年からの反動増により成長率が+7.7%まで上昇すると予想する。

■目次

・経済概況:都市封鎖の影響が出始め、11年ぶりの低成長
・経済見通し:都市封鎖と経済正常化の遅れで41年ぶりのマイナス成長に
・(物価の動向)当面は農業生産の回復で食品インフレ沈静化
・(金融政策の動向)年内1回の追加利下げを予想
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴
  • 【職歴】
     2008年 日本生命保険相互会社入社
     2012年 ニッセイ基礎研究所へ
     2014年 アジア新興国の経済調査を担当
     2018年8月より現職

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レポート紹介

【インド経済の見通し~4-6月期は全土封鎖の影響が本格化、封鎖解除後も経済正常化が遅れて20年度はマイナス成長へ(2020年度▲1.5%、2021年度+7.7%)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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