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韓国の老人長期療養保険制度の現状と課題-2020年3月現在-
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
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- 韓国政府は2001年8月に介護保険制度の導入を表明し、2008年7月から「老人長期療養保険制度」という名前で介護保険制度を施行している。
- 韓国政府が老人長期療養保険制度を導入した理由は、急速な人口高齢化、女性の社会進出の増加、公的医療保険の財政赤字の拡大などが挙げられる。
- 韓国の老人長期療養保険制度は、日本の介護保険制度をモデルとして研究して導入されたものの、制度の施行においては被保険者層を拡大し、手続きやサービスの内容を簡素化するなど国の財政的・行政的負担を最小化しようとした。
- 老人長期療養保険制度に対する満足度調査では、サービスに対する満足度が高く現れたものの、この結果はサービスの質の高さの満足度というよりは、今までなかった制度が利用できるようになったことに対する満足度、制度が導入されたことによって一部の負担でサービスが利用できるようになった満足度がより大きかったのではないかと考えられる。
- 一方、施設の会計不正、介護人材の不足及び老齢化、財源の増加、進んでいないサービスの先進化や質的水準向上などの問題も抱えている。
■目次
1――はじめに
2――老人長期療養保険制度の導入背景
3――老人長期療養保険制度の概要
(1)老人長期療養保険制度の施行までの流れ
(2)老人長期療養保険制度の概要
(3)老人長期療養保険制度の管理・運営体系及び在宅・施設サービスの概要
(4)老人長期療養保険制度を担当する人材の現状や今後の課題
4――日本へのインプリケーション
5――おわりに
(2020年03月30日「基礎研レポート」)
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
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