2019年01月10日

【アジア・新興国】韓国政府、国民年金制度の改正案を提示-高齢者の貧困率改善や年金の持続可能性の拡大に繋がるだろうか-

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

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■要旨
 
  • 韓国政府は2018年12月14日に国民年金と基礎年金(65歳以上の高齢者のうち、所得認定額が下位70%に該当する者に支給される年金)を合わせ、月100万ウォン(約10万円)前後の年金給付を保障する内容の四つの国民年金制度改正案を提示した。
     
  • 2018年12月24日には「第4次国民年金総合運営計画案(以下、計画案)」が国務会議で審議・発表された。計画案では、四つの改正案以外にも信頼できる年金制度に向けての改善案が発表された。
     
  • 韓国政府が国民年金制度の改正案を提示した理由としては、高齢者の老後所得が十分ではなく、高齢者の貧困率が高いことや急速な少子高齢化により年金積立金が予想より早く枯渇する恐れがあることが挙げられる。
     
  • 国民年金制度の改正案が高齢者の所得水準改善と年金の持続可能性拡大に繋がるように議論を重ねる必要がある。

■目次

1――韓国政府が国民年金制度改正案を提示
2――第4次国民年金総合運営計画案も発表
3――結びに代えて
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生活研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
    独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職

    ・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
    ・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
    ・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
    ・2021年~ 専修大学非常勤講師
    ・2021年~ 日本大学非常勤講師
    ・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
    ・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
    ・2024年~ 関東学院大学非常勤講師

    ・2019年  労働政策研究会議準備委員会準備委員
           東アジア経済経営学会理事
    ・2021年  第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員

    【加入団体等】
    ・日本経済学会
    ・日本労務学会
    ・社会政策学会
    ・日本労使関係研究協会
    ・東アジア経済経営学会
    ・現代韓国朝鮮学会
    ・韓国人事管理学会
    ・博士(慶應義塾大学、商学)

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